現場スタッフの声
【第2回】患者様向けの工夫広島市立北部医療センター安佐市民病院
拠点移転に際し、病院施設について様々な工夫をされています。
全4回のインタビュー、第2回は「患者様向けの工夫」について話を伺いました。
移転の際に患者様向けに工夫されたことを教えてください。
松原:
患者様の空間を大切にしようと考えました。「個室率を50%以上にすること」「病院らしくない病室にすること」をコンセプトにしました。
個室率50%以上にした理由を教えてください。
松原:
周りが気になって寝られないなど個室を希望される患者様が多いという理由だけではなく、長く付き添う家族の疲労を和らげたいという想いがありました。地域の方々をお守りする病院として、患者様の家族も含めてケアをすることが大切だと考えました。
病院らしくない病室というコンセプト素敵ですね!
松原:
ありがとうございます。安佐市民病院は山と川に囲まれています。病室から外観が見渡せるようになっていまして、リゾート気分になれると好評です。自然に囲まれていることを強みと捉えて、癒しの空間を意識しました。ベッドや椅子の色にも拘っています。パステルカラーの優しい色にしました。患者様のご家族がゆっくりできるようにソファーベッドを置く、転倒リスクがあったパイプ椅子ではなく木製のアーム付きの椅子にするなど什器1つ1つをコンセプトに合わせて選びました。
患者様だけでなく家族の方、そして地域の方々を大切にしている病院って素晴らしいですね!地域の方々を守る取組みがあるとお聞きしました。
松原:
1階のロビーは災害時に地域の方々の避難場所になります。ソファーはベッドになりますし、講堂は医療用ガスのパイピングができるようになっており、重症者のトリアージが可能になっています。緊急時に地域を守ることは病院の大切な役割です。
緊急時だけでなく身近で親しみやすい病院として様々な取組みをされていますよね。
松原:
はい。地元の方々とふれあう「花いっぱい運動」や「健康まつり」を開催しています。LINE公式アカウントやYoutubeチャンネルで情報発信をするなどDXにも力を入れています。市民の健康に寄り添う病院としてどんどん新しい取組みをやっていきたいです。
最後にこれから移転や建て替えの予定がある病院にアドバイスがあればお願い致します。
松原:
失敗談の1つですが、動線分離で本来セキュリティをかけないといけない場所にセキュリティがかかっていないなど、実際に人が動くことをイメージすることは大切です。あと、どんな空間にしたいのかコンセプトはとても重要です。「女性に優しく働きやすい、山と川に囲まれた病院らしくない病院」というコンセプトがあったからこそ、地域にも職員にも選ばれる病院になれたと思います。
アドバイスありがとうございます。地域にも職員にも選ばれる病院作り大変勉強になりました!
施設紹介
広島市北部医療センター安佐市民病院は、地域の基幹病院として、患者の皆さんの利益のために「愛と誠の精神」、そして「誇りをもって安全で質の高い医療を提供すること」を基本理念に掲げています。高度急性期機能、地方包括ケアの生活視点、人材派遣/教育体制、DXの4つの分野で様々な試みを進めております。新しいことにチャレンジしながら、北部医療センターが可部の健康ランドとして地域の方々をお守りしています。