現場スタッフの声
【第1回】職員のはたらきやすさ広島市立北部医療センター安佐市民病院
拠点移転に際し、病院施設について様々な工夫をされています。
全4回のインタビュー、第1回は「職員のはたらきやすさ」について話を伺いました。
インタビューお願い致します!
移転をする際に最も意識した点を教えて下さい。
松原:
病院には、職員、委託職員を含めて1500人のヒトがいます。そのうち70%は女性です。「女性が働きやすい職場」作りは今回の移転で重要なキーワードでした。
2点問題がありました。1つは、プライバシーが守られていないこと。もう1つは、最適な休憩がとれる環境が用意されていないことです。女性ファーストの職場を実現するためには、この2つの問題を解決する必要がありました。
1つ目のプライバシーについて具体的にどのような問題があったのでしょうか?
松原:
移転前はスタッフが落ち着かない空間でした。例えば、トイレがカンファレンスルームの隣にあって、医師がいるとトイレに行けないとか、スタッフステーションで歯磨きをしないといけないので、その姿を先生に見られてしまうなど。ちょっとしたことのように思われるかもですが、プライバシーを守れないとそれがストレスや、医師とのコミュニケーションを阻害する要因になっていました。
2つ目の最適な休憩がとれる環境についても教えて下さい。
松原:
常に時間に追われ緊張感がある状態で働いているスタッフにとって、休憩はとても重要です。休憩によって頭がリフレッシュされることで「午後も頑張ろう!」とモチベーションを維持しています。どの病院もそうですが、休憩室は狭くコーヒーを飲んで気分転換をするような空間にはなっていません。スタッフの休憩時間を大切にすることは女性ファーストの職場作りにおいて重要だと考えました。
2つの問題はどの病院にも当てはまりそうですね。新病院の工夫点を教えて下さい。
松原:
「プライバシーを守る」については、トイレの動線はもちろんのこと、パウダールームを用意することで、女性が見られたくないことを守る工夫をしました。また、休憩室にロッカールームやレターケースを設置することで、貴重品の管理や個人宛てのレターを他人に見られるリスクがない環境を構築しました。
休憩室は、色々とこだわりがありそうですね!
松原:
はい!休憩室は一度に7、8人利用します。全員が座って休憩が取れる広さを確保してソファーを置いています。以前は食器を洗う所で歯磨きをするなど衛生面の配慮が足りなかったのですが、今は解決できました。仮眠室も用意してあります。常に整理整頓されており、リフレッシュできる休憩室になっていると思います。
プライバシーを守る"と"最適な休憩室"はどの病院にも参考になるお話だと感じました!スタッフが働きやすい環境について工夫点をもう1点教えて欲しいです。
松原:
そうですね。今回の移転で「動線分離」は大きなテーマでした。昔の病院は、同じエレベーターにゴミ配送と患者様が一緒に入ることがありました。患者様には、きれいなものが見える状態、そしてスタッフには効率的に動ける環境を提供したいと考えました。動線分離は、スタッフの働きやすさに貢献しています。
動線分離によって何が変化したのでしょうか?
松原:
5S活動の徹底と業務の効率化に繋がっています。動線分離によって患者様が入れないバックヤードが作れます。そこにSPDや医療機器を集約しています。バックヤードがごちゃごちゃしていないので、整理整頓され、スタッフがすっきり動きやすい環境になっています。
もう1つの工夫点教えて頂きありがとうございます。最後に、環境面以外にも働きやすい職場作りで意識していることはありますでしょうか?
松原:
教育体制は重要だと考えています。看護師の仕事は、患者様の反応が直に分かります。「あなたで良かった」「この病院で良かった」という喜びの声を頂くことがあります。患者様に寄り添うためには、技術だけではなく看護師のその人らしさが大事です。人としての感性を養う教育によって、喜びの声が増え、職場の雰囲気が良くなります。"働く環境×一緒に働く人の雰囲気"の両輪で働きやすい職場を実現しています。
女性ファーストの職場作り、働きやすい環境作り大変勉強になりました。スタッフに対する病院の想いを感じ取れるインタビューでした。移転の際に多くの方の参考になる話ありがとうごさいます!
施設紹介
広島市北部医療センター安佐市民病院は、地域の基幹病院として、患者の皆さんの利益のために「愛と誠の精神」、そして「誇りをもって安全で質の高い医療を提供すること」を基本理念に掲げています。高度急性期機能、地方包括ケアの生活視点、人材派遣/教育体制、DXの4つの分野で様々な試みを進めております。新しいことにチャレンジしながら、北部医療センターが可部の健康ランドとして地域の方々をお守りしています。