書籍『はたらく場所が人をつなぐ―Copresence Work―』出版のご案内
株式会社 岡村製作所は5月16日に書籍「はたらく場所が人をつなぐ ―Copresence Work―」を日経BP社より出版いたします。岡村製作所オフィス研究所は、2005年の「オフィス進化論」、2007年の「オフィスと人の良い関係」と常にオフィス環境のあり方に対し蓄積した知見を元にした提言を行ってきました。本書はその流れを継承し、人と人の「つながり」に注目したオフィスのあり方を考える内容となっています。ワークダイバーシティの拡大やグローバル化の中で、必ずしも同じチームのメンバーが同じ時間/場所で働くといった状況ではなくなってきました。異なる場所や時間で働く時代にお互いの状況を共有し、コミュニケーションを密にとっていわゆる「ツーカー」の関係で働くためにはどうすればいいのでしょうか。また、働く人やチームを支援するため空間やツールにはどのような機能が求められるのでしょうか。本書ではそうした新たな時代の働き方を「Copresence Work」と定義し、「チーム」や「場所」をキーワードに状況を共有してともに「つながって」働くためのヒントをご紹介します。
本書の内容
いつ・どこにいてもチームとしての「つながり」を失うことなく仕事ができる。自らの場所を選び、工夫して使いこなす。これまでのオフィスを問い直す「働く場所」の新しいかたちを提案します。
「隣の人がどんな仕事をしているのかわからない」「部下が何をしているのかわからない」といった声をしばしば耳にします。今後、様々な人たちが職場に参画してくるワークダイバーシティの拡大を考えると、働く人がお互いの状況の共有を共有し「つながり」を感じながら働くことは非常に重要だといえます。
現在のオフィスは効率化が進み、管理がいきわたっているため、仕事をする際に不便を感じることは少なくなっています。しかし、一方で働く人やチームが、互いの人となりを知るきっかけが少なくなったり、自分達の「居場所」といった感覚をもつ機会が減ったりしたのも確かです。
では、目まぐるしく組織や仕事の内容・手段が変化する、あるいはコンプライアンスやセキュリティへの配慮が求められるなか、どうしたら自らの状態を発信し、互いの状況を共有して「つながっている」という感覚を持ちながら働くことができるのでしょうか。
本書では、近代以降の働き方とオフィス環境の関係を振り返り、さらにオフィスに居場所がつくられるための過程を研究開発の現場で得られてきた知見を踏まえて解説します。
本書の構成
第1章 つながり・居場所のデザイン
「良いオフィスとは何か?」根本的な問いかけですがそれぞれの人が置かれている立場によって答えは異なります。オフィスが変化するときの要因とは。オフィスを変えようとするときにできることは。前著『オフィス進化論』の内容を振り返りながらオフィス変革の道筋を考えます。
第2章 働き方とオフィスの関係
オフィスでいま起きている問題点を聞くと「一緒に働いているのに何をしているのかわからない」「部下の状況がわからない」といった回答が寄せられることがあります。相談を受けていく中で「独創性」や「自律性」が求められていく働き方の変化にオフィスが対応していない、つまり働き方とオフィスがマッチしていないということが次第にわかってきました。そうした問題がなぜ起こるのかをオフィスと働き方の変遷から明らかにしていきます。
第3章 働く空間からはたらく場所へ
オフィスにワーカーがお互いを知るためのきっかけがない、あるいは居場所がないといった相談を受けることがあります。その原因はプロジェクトワーク主体になってワーカーの行動が流動的または分散的になったり、フリーアドレスの導入で顔を合わせる機会が減ったりしたからではないかといわれます。多様な働き方が求められる今後、居場所や状況の共有の問題を解決するにはどうしたら良いかのでしょうか。本章では「場所」をキーワードに考えていきます。
第4章 コプレゼンスワーク宣言
バラバラの時間・空間であってもチームとして状況を共有し、一丸となり目標を達成する。そんな働き方を私達は「Copresence Work」と命名し、その条件として4つの宣言を掲げます。本章の前半ではイラストを用い、「Copresence Work」を実践するチームを描き、後半でこうした働き方を実現するための方法や指針を紹介します。
第5章 つながるための空間と技術
離れた場所、異なった時間でも状況を共有して働くためにはただ仕組みやルールを導入するだけでなく、空間やツールを用いてそれを支援しなければいけません。本章ではこれからのオフィスの5つのスタイル、そして「ワークログ」や「ポータルサイト」など時間を拡張し、メンバーの状況共有を支援する技術を紹介します。
第6章 コプレゼンスオフィスをつくる
ワーカーが自分の居場所をつくり、快適に働くために行う工夫を「パーソナライゼーション」といいますが、管理の視点に立つとあまり良い印象をもたれてきませんでした。本章では大学との共同研究の成果を交え、パーソナライゼーションと生産性、満足度の関係を明らかにします。その上でワーカーが自分なりの工夫を行い、生産性を上げるとともに、空間を通じて自らの状況を発信するためのヒントを示します。
第7章 チームの個性をはぐくむ
個人で働き方を変え、働く空間を工夫して変えていくためにはどんなことができるのでしょうか。また、その効果を確かめるためオフィスのデザインに還元していくためにはどういった取り組みが必要になるのでしょうか。現在私たちオフィス研究所で行っている取り組みや、チームの共通言語の創出などごく身近な取り組みからスタートするヒントを紹介します。
対談 本江正茂さんとの対話 ―「共に在る」こと
東北大学との共同研究を通して、ワーカーの行動と空間、ツールのしつらえ、そして生産性、満足度の関係が明らかになってきています。同大准教授の本江先生が過去行われてきた取り組みをご紹介いただき、「共に在る」という感覚を持って働くことの意義、そのための工夫についてうかがいました。
書 籍 名 | 「はたらく場所が人をつなぐ―Copresence Work―」 |
著 者 | 株式会社岡村製作所 オフィス研究所 池田 晃一 |
イラスト | 池田晃一(本文中)/都築潤(第4章部分) |
装 丁 | B6判 240ページ |
定 価 | 本体1600円 +税 |
出 版 | 日経BP社 |
発 行 日 | 2011年5月16日 |
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