「 OKAMURA Design Space R 」広報誌 発行
株式会社 岡村製作所は、過去5回にわたり開催した「OKAMURA Design Space R」の活動内容をまとめた広報誌を、2008年3月31日に発行いたしました。 『建築家と建築以外の領域の表現者との協働』をテーマに掲げた「OKAMURA Design Space R」は、ホテル・ニューオータニ(東京都千代田区紀尾井町)にあるオカムラ ガーデンコートショールームを会場に、2003年7月の「THEORIA」(テオリア)を皮切りに毎年1回のペースで開催されてきた企画展です。今回発行する広報誌は、毎年7月に開催してきた過去5回の内容をもう一度紙面上に再構築することで、建築家やアーティストの新たな側面を浮き彫りにできればとの意図により企画制作されました。各回ごとに16頁の冊子となっており、5冊1セットにまとめられています。
「OKAMURA Design Space R」について
「OKAMURA Design Space R」は、『建築家と建築以外の領域の表現者との協働』をテーマにした、アート、建築、デザインの各分野で活躍する人たちのコラボレーションによる企画展です。オカムラ・ガーデンコートショールームの一角を会場に、年に一度、毎回異なるジャンルの複数のアーティストが、全く斬新な企画で創出される展示とトークを行います。その知と美の新たな形式によって、多領域に向けて確かなインパルスを発信します。 なお、現在は本年7月に開催予定の第6回展を企画中であり、今後も継続してアート、サイエンス、インダストリーの新領域にまで踏み込んだ意欲的なコラボレーションをお届けしてまいります。
全体企画 | OKAMURA Design Space R 企画実行委員会 【委員長】川向 正人(建築史家、建築評論家、東京理科大学教授 【企画委員】芦原 太郎(建築家)、北川原 温(建築家、東京芸術大学教授)、内藤 廣 (建築家、東京大学教授)、赤松 邦彦(建築家)、中村 喜久男(岡村製作所 代表取締役会長)、各企画展アーティスト 【実行委員】各企画展アーティスト側責任者、岩下 博樹、岡村 経夫、甲斐 慶一(岡村製作所) |
開催場所 | オカムラ ガーデンコートショールーム内 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニ・ガーデンコート3F TEL: 03-5276-2001 |
過去5回の企画展示内容
第1回企画展 「THEORIA」(テオリア)
企画アーティスト:高木 由利子(写真家)+北川原 温(建築家、東京芸術大学教授)
開催期間:2003年7月3日(木)~18日(金)
2次元の写真と3次元の空間創造をフィールドにして活動している2人が、互いの表現領域を刺激し昇華しようとする試みであり、写真、映像、音楽、建築の統合表現として計画された。会場は、数理詩学という実験的な理論に基づき構成されている。数学は、理論上多次元領域を構築することが可能であるが、写真に奥行きを与え空間に密度を与えること、空間体験に循環するリズムを与えることで、身体的な空間における多次元化が図られた。
第2回企画展 「粒子がレスポンスする場=ニワ」
企画アーティスト:隈 研吾(建築家、慶応義塾大学教授)+廣瀬 通孝(東京大学先端科学技術研究センター教授)
開催期間:2004年7月12日(月)~23日(金)
暮れゆく光の微妙な変化に応じて建築は驚くほど変化するし、風が吹けば庭の葉叢はそよがずにはいられない。しかし、人はそれでも建築やニワは不動で変わらないものだと信じようとしている。そこで、石庭という装置が考案された。ヴァーチャルリアリティーのテクノロジーを駆使して、竹箒で砂を掃いて、風の傷跡を偽装し、ニワもまた立派にレスポンスすることを示そうとしている。本物のニューオータニのニワを用いて、思い切った実験を試みた。
第3回企画展 「AWARENESS〈今日の結界〉」
企画アーティスト:山田 宗?(茶道宗?流十一世家元)+芦原 太郎(建築家)
開催期間:2005年7月14日(木)~29日(金)
ミラノのバールでエスプレッソの立ち飲みをし、気持ちを切り替えて出て行くミラネーゼの様に、一服の抹茶によって心を浄化する瞬間を生み出す、茶道ではない「立ち飲み抹茶空間」。会場のショールームを日常的なワークスペースに見立て、所作・心得・道具・空間を操作することにより、適度な緊張感の中で五感が開放される、日々忙しく働く現代人の感性の目覚めを促す<今日の結界>が創られた。
第4回企画展 「TIMESCAPE」
企画アーティスト:アルバロ・カシネリ(東京大学大学院システム情報学専攻助教)+石川 正俊(東京大学大学院システム情報学専攻教授)+内藤 廣(建築家、東京大学大学院教授)
開催期間:2006年7月13日(木)~28日(金)
会場の壁と天井を構成する柔らかな膜。身体感覚を不安定にし、時間と空間との境目を怪しいものにする。膜には映像が投影され、膜を押すとその部分が過去に戻る。目の前に映し出された風景は、時間の奥行を持って存在しているのだ。最新のテクノロジーを用いて創り出された世界では、私たちも「時間に触れる」ことができる。時間に触れることで、日常の風景が変容して未知の世界が露わになる。時間の手触りを楽しむ不思議な空間が用意された。
第5回企画展 「都市を歩く表象」
企画アーティスト:江頭 慎(建築家、美術家、ロンドンAAスクール ディプロマユニットマスター[教授])+岡村製作所技術開発チーム
技術協力:福井 裕司(東京芸術大学建築科教育研究助手)、アルバロ・カシネリ(東京大学大学院システム情報学専攻助教)
開催期間:2007年7月12日(木)~27日(金)
ショールームのミーティングエリアに突如現れた象。現代都市の一角を歩き回る表象化された象。透明な大ガラスに投射された象の像が生きているかのように、人が近づくと逃げ、離れると追いかけてくる。コンピュータ技術によって、映像の象の動きが装置の動き、さらに会場の人の動きとシンクロする。運動の連鎖に引き込まれて、人は無意識のうちに物質・情報・意識の境界を飛び越えてゆく。
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