サービスコンセプトを形にした"見せられる"オフィス

――「Smart Service AQUA」が目指す次世代のコールセンター

サービスコンセプトを形にした"見せられる"オフィス

――「Smart Service AQUA」が目指す次世代のコールセンター

この記事は2023年4月26日に公開されたものです

株式会社YEデジタル 様

1,400㎡
約80名
2022年5月竣工
お客様のファーストオーダー

見学できるサービスセンターを通して、
透明性のあるサービスを提供していきたい

わたしたちは事業を通じて仕事や生活にDXを広げていくことで、新しい暮らしのあり方を創造することを目指しています。 自社で運営するITカスタマサービスセンター「Smart Service AQUA」では、ITシステムの導入効果を最大化するために24時間体制で支援業務を行っています。 「AQUA」という名前はアートアクアリウムから連想されたもので、お客様にわたしたちの働く場所を見て安心していただきたい、透明性のあるサービスにしたいという想いが込められています。 

今回の移転では、これまで各部門に散らばっていたコールセンターの社員を集結することで、顧客への効率的で効果的な支援に活かしていくことを狙いとしています。 お客様にはわたしたちのサービスに納得をしてから契約を結んでいただきたいため、これまでもコールセンターを見学できるようにしてきました。 今回の移転でも、お客様を迎え入れ、どのように支援業務を行っているかを見せられるようにしたいです。 そして、社員がより快適に業務を行えるようなコールセンターにしたいと考えています。 

オカムラのアンサー

きめ細やかな空間づくりでサービスコンセプトを体現する

お客様と打合せをしていく中で、運用・保守を支援するコールセンターのみならず、訪れたYEデジタル様のクライアントが「ここに業務をお願いしたい」と思える場にしたいのだと捉えました。 そこで、コールセンターでありながら「作りこまれたエントランス」「整備された個室環境」「本物の木が育つリフレッシュスペース」など、魅せる部分を意識。 また、窓がない空間でも同社のこだわりである「透明性のあるサービス」を表現するにはどうしたら良いかを徹底的に考え、デザインに落とし込んでいきました。 

カスタマサービスセンターの名称である「AQUA」から「水」を、そこからイメージした「波」をモチーフとして空間を構成し、白を基調とした透明感あふれるデザインをご提案しました。 お客様のこだわりをひとつひとつ丁寧に汲み取っていきたかったため、早い段階から具体的なCGや素材のイメージを用いて空間を形作っていきました。 

「細かいところまで行き届くサービス」を訪れたクライアントにも印象づけるため、細部まで丁寧に設計されている空間に。 見学する方にとって安心感があり、そこで働くひとにとって気持ちの良い空間づくりを目指しています。 


竜宮城の入口のような扉の先に

近年IT業界への誘致が進む北九州市のJR小倉駅前エリア。 今後、発展が期待されるこの地の中心に位置する複合型商業施設内に、新しいカスタマサービスセンターが入居しています。 8階の廊下を進むと突如として現れる、幾重にも重なる水の波紋。 その波紋を辿っていくと、竜宮城の入口のような扉に辿り着きます。 よく見ると、自動ドアのシルエットは波の形に。 ITカスタマサービスセンター「Smart Service AQUA」の入口です。 

ドアが開くたびに垣間見える内側は、外側とは対照的な白い空間。 このドアの向こうに広がる空間はどんな世界なのだろうと、思わず好奇心を刺激されてしまいます。 

エントランスは「AQUA」の世界

エントランスに入ると、そこには美しい水面のような空間が広がっています。 白を基調としたこの空間には、「AQUA」から連想された波のモチーフがふんだんに散りばめられています。 地場のエレガントウッド材でつくられた波模様の壁は、凹凸の形状が水光のように見え、思わず近寄って触ってみたくなります。 

柱をうまく利用した3面のデジタルサイネージには、鏡のようにまわりの景色が映り込み水面に映る光の屈折を表しているよう。 透明感という言葉をそのまま空間に落とし込んで表現されています。 このデジタルサイネージは、お客様をお迎えする際のウェルカムボードとして利用することも。 見学者が大人数の場合にも対応できるよう、エントランスには十分なスペースが確保されています。 受付を済ませると奥の部屋に案内され、白い壁面に映し出される映像でAQUAのサービス内容の説明を受けることができます。 

スイッチオン(透過)
スイッチオフ(不透過)

海底にあらわれる秘密基地

社員がITシステム支援業務を行う執務室は、まるで海底に潜り込んだかのような空間です。 床のタイルカーペットは、水面に跳ねた滴のようにランダムに貼り分けされています。 また椅子の白いバックビューは、海の中を彩る貝や珊瑚を連想させられます。 

この部屋は見学ルートの廊下に面しており、どのような環境で電話応対しているかをクライアントに見てもらうことができます。 この部屋には特殊なガラスパーティションが使われていて、セキュリティ上見せられない業務を行っている場合は、パーティションに設置されたスイッチをオフ。 通電しなければ曇りガラス状態になります。 スイッチをオンにすると液晶フィルムを組み込んだ特殊なガラスパーティションに電気が通り、瞬時に透明ガラスへと変化します。 特殊なガラスパーティションを隔てることで、声の大きさを気にせず見学者に説明できるだけでなく、中で働く社員の集中力やお客様から預かっている大事な情報も守ることができます。 

アートの並木を抜けて、森の中へ

スタイリッシュな空間で業務に専念したあとは、木の香りただようリフレッシュスペースでほっと一息。 リフレッシュスペースへと向かう廊下には色とりどりのアート作品が飾られています。 感性を刺激することで一旦業務から離れ、よりリラックスモードへと誘ってくれます。 

業務中にはなかなかできないカジュアルな話をしたり、疲れた頭を休ませたり、時には飲食を介して社員同士のコミュニケーションを広げる場にもなっています。 窓がなく閉鎖的になりがちな空間でも、特殊な照明を用いることで生木を育てることができ、明るく健康的な空間を演出できます。 

この部屋では、光を調整できる特殊な照明器具を使用。 5段階の色味(赤みや青み)調整と121種類のカラー演出で、自然界に存在する多様な光の色を再現し、室内にダイナミックな自然の表情をもたらすとともに、体内リズムを調整する効果があります。 

特殊な照明や木目を使用した温かみのあるインテリアで、窓がなくとも十分に自然の明るさと時間を感じられます。 木々の成長を楽しみながら、人々の健康にも配慮された空間となっています。 

編集後記(ここに注目!)

今回は「細かいところまで行き届くサービス」というお客様の想いを来訪者に印象づけられるよう細部まで丁寧に設計された空間でした。 事業コンセプトを空間に落とし込むことで、クライアントへの真摯な姿勢が空間にも現れています。 今回のような見せるオフィスやコールセンターでなくとも、事業コンセプトを働く環境に描くことで、企業としての想い・願いを具現化してみてはいかがでしょうか。 

Project’s Data

業種
ITシステム開発・コンサルティング業務
企業名
株式会社YEデジタル
プロジェクト名
Smart Service AQUA 移転プロジェクト
WEBサイト
https://www.ye-digital.com

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