歴史ある税理士法人の新たな挑戦
── 提供する新たな価値を、オフィス空間に表現する
歴史ある税理士法人の新たな挑戦
── 提供する新たな価値を、オフィス空間に表現する
岡山市中心部に2021年8月に誕生した『杜の街グレース』。 約1.6haという広大な敷地にタワーマンション棟、商業・ヘルスケア施設棟、オフィス商業棟が揃い、緑豊かな環境で上質な生活空間を形成できる岡山の新たなランドマークです。
米本合同税理士法人岡山事務所は、新たな顧客層への価値提供のため、杜の街グレースオフィススクエアへと事務所を移転します。 「ラグジュアリーな生活空間を求める人々へ、高度で専門的な会計・税務サービスを提供する」、60年以上の歴史を誇るわたしたちの新たな挑戦といえます。
新事務所は、訪れたお客様に『特別感』を存分に感じてもらえる空間にしたい。 特にお客様を迎え入れるエントランスと応接会議室は、少し "近寄りがたい"ような、高級感のある上質な空間を実現したいと考えています。
お客様から“近寄りがたい”というキーワードをいただいたときは正直驚きました。 受付は普通どんなお客様も明るく迎え入れるものだと思っていましたから。 それでもお客様の話を注意深く丁寧に聞いていくと、“近寄りがたい”の真意として求めているものは『高級感』や『特別感』ということがわかりました。
一口に『高級感』や『特別感』といっても、イメージする空間は人によって異なります。 まずはお客様との共通イメージを持つために、様々な空間写真とその空間デザインが人々に与える印象を合わせて分類分けをしました。 それを見ながらお客様の持っているイメージを具体化していくと、今回求められているものは濃い木目調の重厚感のある空間ではなく、シンプルで洗練された高級ホテルのようなイメージだとわかりました。 そこでエントランスや応接会議室は、全体的に黒を基調としながら、特殊な仕上材や間接照明を効果的に取り入れ、柔らかさもある上質で落ち着いた「隠れ家」のような空間をご提案しました。
一方で執務エリアは、大きな窓から光が入り込む明るくて開放的な空間です。 今回は竣工とほぼ同時の入居だったため、ビル側からは表層の仕上げを施す前の状態で引き渡され、照明器具の選定もオカムラで行いました。 エントランスとは異なり、明るい光が均等に広がるライン型のベース照明を採用することで、スタッフの方々が気持ちよく業務に取り組める空間になっています。
今回入居した「杜の街グレースオフィススクエア」は、地下1階地上10階建。 ビル内には貸し会議室やシャワールームも併設されています。 上層階には地元テレビ局や、岡山の有名企業も数多く入居する、まさに岡山を代表するオフィスビルです。 1階のビルエントランスには有人受付とセキュリティゲートが設置されており、シンボルツリーを設置してもなお天井高に余裕のある開放的な空間です。
米本合同税理士法人岡山事務所は、このビルの6階、その一番奥にあります。 明るい廊下の先に現れる、暗闇から眩い光を放つ不思議な空間。 まるで異空間へ誘われるような感覚は、エントランスに足を踏み入れる前から始まっています。
お客様を迎え入れるエントランスは、黒を基調としたシンプルでモダンなデザイン。 社名サインを小さめにすることで、大人の「隠れ家」のような上質な空間を演出しています。
壁面は専用のガーゼを使って職人が手作業で仕上げる特殊塗装を採用しています。 油絵の背景のような柔らかなムラをつけられ、決して同じ仕上がりにはならない『特別感』のある一点物です。
サインは、文字の形を切り抜いたスチール鉄板の裏に照明を仕込んだシンプルなものですが、天井の間接照明とトーンをあわせることで、統一感のある洗練されたイメージを与えています。
来訪者との大事なお話は、「上質」をテーマとした応接会議室で。
モノトーンの内装材とシックな木目の家具が心を落ち着かせ、心地よく会話ができる空間になっています。 奥行き1400mmの舟形テーブルは、向かい合う相手に威圧感を与えない適度な距離感。 ペンダントライトで手元の明るさも確保され、機能性も十分です。
来訪者から見える正面の壁には意匠棚を設置。 棚に間接照明を取り入れることで、窓のない空間でも明るさをプラスし、来訪者の視界に彩りを添えています。
反対側の壁面にはインパクトのある発光サインを設置しました。 取材や写真撮影にも使用したいというニーズに応えています。
執務エリアに入ると、エントランスとはまるで雰囲気の異なる開放的な空間。 動線がきちんと整備された機能的な空間には正面の大きな窓から光が差し込み、離れた席にも外光が届きます。 天井には埋め込み型のベースライトを規則的に配置することで、スタイリッシュでシームレスな印象を与えています。 柱回りはモルタル調の壁紙で仕上げ、空間にメリハリをつけました。
座席の運用は固定席ですが、ベンチデスクを活用することで足元空間を広々と利用でき、配列の乱れも生じません。 業務上必要な紙の保管資料が多いため、壁面を利用して大容量の収納を確保しています。
また、移転を機に新たに取り入れたのが、電動上下昇降式のミーティングテーブル。 朝礼やちょっとした情報共有などクイックな打合せには立ち姿勢が最適で、自然と会議時間も短縮できます。 少し天板の高さを下げれば、書類をまとめるときの作業台としても活躍します。
今回の事例は、各部屋の細部にわたりこだわりと来訪者へのおもてなしの心が表現されたオフィスでした。 規模の大小にかかわらず、それぞれの空間に求める機能を明確化し、その機能を最大化できる工夫を詰め込むことで、その空間が来訪者にも自社の社員にとっても最適な“一点物”となります。 その背景には、お客様とデザイナーとの徹底的な会話による、「真意の追究」がありました。
Project’s Data
- 業種
- 税理士事務所
- 企業名
- 米本合同税理士法人
- プロジェクト名
- 米本合同税理士法人岡山事務所 移転プロジェクト
- WEBサイト
- https://www.yonemoto.or.jp/index.html