働き方・働く場の研究と視点
KNOWLEDGE「はたらき方のトレンド 2025」 RELEASE
2025年、「はたらく」をとりまく環境はどのように変化していくのでしょうか。
人口減少・人材不足が顕在化し、どの職場でも優秀な人材の確保が課題になっています。
また、豊かさに対する価値観も以前とは異なってきています。
こうした状況のなかで、どのようにして
より良い働き方を実現していくべきなのでしょうか。
オカムラは、2025年の働き方の指針にすべきテーマを
「交流」「成長」「健康」「効率」のカテゴリーから8つのキーワードにまとめました。
2025年 はたらき方の8つのトレンド
人口減少や人材不足など、「はたらく」の現場ではさまざまな課題が顕在化しています。従業員一人ひとりがより良い働き方を実現しながら企業を成長させていくには、どのようにすると良いのでしょうか。
オカムラは、働き方を考えるためのカテゴリーとして「交流」「成長」「健康」「効率」の4つを設定しました。さらに、2025年という時代を表す言葉は「人口減少・人材不足」と「豊かさに対する価値観の変化」であると捉え、4つのカテゴリーに対してこの2つの社会的背景を掛け合わせた8つのキーワードについて考察しました。
2025年は「ナレッジブローカー」元年に
誰もが組織を越えて知を結び付ける「ナレッジブローカー」になってゆく。2025年はそのスタートを切る年だと、オカムラは考えています。
ナレッジブローカーとは、企業と企業の、あるいは社内組織どうしの接点となり、それぞれのメンバーが越境学習(※1)する機会を作る存在です。自分たちの持つ知識や技術を捉え直し、再定義を促す。そして部門、分野を超えてそれらを結び付けることで、思いもよらなかったアウトプットを生み出していきます。
人口減少や人材不足、技術・知識の継承といった課題を解決する鍵を握るのがナレッジブローカーだとオカムラでは考えています。
※1 越境学習とは、所属する組織や部署の枠を超えて、異なる環境で学びを得ることを指します。
交流
仕事を進めるうえで欠かせないのが、コミュニケーションです。ずっと昔からその改善のために幾多の研究や工夫が行われ、様々な手法が開発されてきました。2025年は、どのようなコミュニケーションのあり方が求められるのでしょうか。
これを紐解くキーワードが、「ナレッジブローカー」、「アルムナイ」です。「アルムナイ」は「同窓生」という意味で、組織をいったん離れた人とつながりをもち続けることを表す言葉として用いられます。今はまだ聞きなれないかもしれませんが、これからどんどん働く現場に浸透していくことが予想されます。
成長
今回取り上げている「成長」には、企業として発展していくという意味と、従業員が成長していくというふたつの意味が存在します。新しい知識や考え方を取り入れるために、古いものを捨てる「アンラーニング」、学び直しや新たな技術を習得する「リスキリング」。このふたつのキーワードから2025年らしい「成長」について考えます。
健康
人生100 年時代と言われる中で、高齢者の労働参加割合は上昇してきており、健康に長く働くことに注目が集まっています。同時に、若手従業員のフォローや育成にも力を入れていく必要があります。何歳になっても元気に働いていくための配慮を考える「アンチエイジング」と、世代や領域を超えて理解し合い、寄り添いながらともに成長していく「メンタリング」。このふたつのキーワードから2025年の「健康」を考えます。
効率
オフィスや仕事がアウトプットを生み出すことを目的としている限りは、「効率」は欠かすことができない視点です。考えるよりもまず手を動かし、実践と改善を繰り返しながらアウトプットの質を高めていく「アジャイル」と、効率的にできる仕事はロボットに積極的に任せていこうという「ロボッタブル(※2)」。このふたつのキーワードから2025年の「効率」を考えます。
※2 ロボッタブルとは、時代背景からRobot+able="Robotable(ロボットが活躍可能な)"という概念が求められると予測し、オカムラが考えた造語です。
2025年以降の働き方と社会を
もっと良いものにする
2024年はコロナ禍が落ち着き、私たちの普段の暮らしを取り戻す一年だったのではないでしょうか。2025年は、いよいよ未来に向けて一歩踏み出す年になるはずです。
従業員が自分自身や他者、そしてロボットに対しても働きやすさを考え、成長していくにはどうすると良いか。「はたらき方のトレンド2025」に挙げる8つのキーワードが、より良い働き方を実現していくために役立つことを願っています。
発行日:2024年12月
発行:株式会社オカムラ ワークデザイン研究所