嘉悦大学 様 キャンパスライフの中にみるワークブースとポータブルバッテリーの活用事例 ―― 大学生が使うと可能性は無限大!
1903年(明治36年)に日本で初めて女子を対象として設立された商業学校「私立女子商業学校」を前身とし、日本初の女性公認会計士を輩出するなど実学教育の伝統を継承する嘉悦大学。2023年には創立120周年を迎えますが、全学生が一人一台のPC端末を使い、1年次からキャリア科目を必修とするなど、校訓「怒るな働け」の実学思想を今なお体現し続けています。
授業や学内イベント、就職活動など、さまざまなキャンパスシーンがオンラインとオフラインの混在するハイブリッド形式となる中、嘉悦大学ではフルクローズ型のワークブース「TELECUBE by OKAMURA(テレキューブ by オカムラ)」や、持ち運び可能な大容量ポータブルバッテリー「OC(オーシー)」などを積極的に導入試行しています。
今回は、嘉悦大学に在学中の二人の現役学生にお話を伺い、フルクローズ型ワークブースとポータブルバッテリーの新たな活用方法とその可能性について探りました。
Interview
武蔵野の美しい自然に彩られたキャンパス
西武新宿線・花小金井駅から10分ほど歩くと、玉川上水と小金井公園に沿って豊かな自然が広がります。閑静な住宅街を抜けた先にあるのは、国木田独歩が「その美しさ言ひつくされず」と評した自然美の面影が今も残る場所。清々しい緑に囲まれて6棟の建物が連なる嘉悦大学の花小金井キャンパスです。
今回お話を伺ったのは、経営経済学部2年の水石麻友さんと、同4年の酒田雄大さんのお二人。
水石さんはマーケティング領域の研究会(ゼミナール)に所属し、学内アルバイトとして授業の進行をサポートするSA(Student Assistant)の他、オープンキャンパスのスタッフも担当しています。嘉悦大学では学生が主体となってオープンキャンパスを運営しており、大学に訪れた高校生や保護者をキャンパスツアーで案内しています。人との繋がりが希薄になりやすいコロナ禍での入学だったからこそ、活動を通じてコミュニケーション能力も身につくオープンキャンパススタッフを選んだそうです。
酒田さんもマーケティングの研究会(ゼミナール)に所属。バドミントン部、ダーツ部、eスポーツ部などで幅広く活動する傍ら、1年生の頃から学生や教職員向けにICT機器のトラブル対応などをサポートする「ヘルプデスク」で学内アルバイトをしてきました。大学に入学するまではパソコンに触れる機会も非常に少なかったそうですが、ICT関係の知識を身に付けられながらアルバイトにもなるヘルプデスクでの経験を通じて、今ではすっかり得意分野になっているようです。
大きく変化したキャンパス内での過ごし方に合わせて、
環境面をアップデート
学生たちがアットホームに過ごす花小金井キャンパスですが、コロナ禍に入ってからは、授業だけでなく学内イベント、サークル活動、就職活動に至るまで、あらゆる場面でオンライン・オフラインが並列した学生生活となり、キャンパス内の過ごし方そのものを大きく変化させることが必要となりました。
キャンパス内の設備・環境面でも色々なアップデートを行う中で、2021年12月にはC棟1階の「さくらラウンジ」を改装し、フルクローズ型ワークブース「TELECUBE by OKAMURA」も導入。学生も大学教職員も分け隔てなく自由に使える運用となっています。
さて、一般的にはWEB会議用の個室ブースとして使われることの多いフルクローズ型ワークブースですが、嘉悦大学の学生はワークブースに対してどのような印象を持ち、どのように活用しているのでしょうか?
最初にTELECUBE by OKAMURAを見たとき、ガラス張りで中の様子が見えているのは集中しにくそうで使いづらいのでは、と感じました。ところが、実際に中に入って使ってみると、周りの音はあまり聞こえないし、思いのほか集中して作業ができることに驚きました。
私の場合、授業の合間の空き時間に課題をこなすときなど、重宝しています。集中作業が非常に捗るのでとても気に入っているんですが、使う人がどんどん増えてきて時間帯によっては争奪戦になってしまっているので、もう少し台数を増やしてほしいですね。
ラウンジに置かれたTELECUBE by OKAMURAを初めて見たときに思ったのは、「CMで見たやつだ!あれがついにうちの大学にも来たのか!」でした。画面越しにはよく見かけていたものだったので、ラウンジに突然現れてもそれほど違和感はありませんでした。
活用シーンとして多かったのは、学内にいながらオンライン授業を受けるとき、就職活動時の企業説明会や面接を受けるときです。特に、相手に余計な音を伝えたくないシーンではワークブースがあればわざわざ自宅に帰る必要がないので、キャンパスと家との間を往復することなく、効率的に時間を使うことができました。
また、少し変わった使い方としては、ヘルプデスクで紹介動画を制作した際、動画に使うナレーションを録音するスタジオとして使ったことがあります。TELECUBE by OKAMURAは、遮音性が高いので雑音のないきれいな音源を録音できるんです。
ポータブルバッテリーの可能性は学生が自ら見出していく
全学生が一人一台のPCを所有している嘉悦大学では、学内の至る所に電源コンセントや無線LANが用意されています。とはいえ、大教室や講堂・ホールといった場所では電源の確保が課題になりがち。また、教室外の通路や共用スペースでは当然ながら電源の確保はなかなか難しいものです。
嘉悦大学では持ち運びが可能な大容量ポータブルバッテリー「OC」を試験的に導入し、その有用性と可能性を探っています。新たなツールを与えられた学生は、一体どんなアイデアで活用しているのでしょうか?
延長コードがないと電源が使えない場所や、そもそも延長コードを引くこと自体が難しいシーンなどで、「OC」が活用できると考えました。
例えば、オープンキャンパスや学内イベントの開催時にはデジタルサイネージで案内を掲示するのですが、教室外の通路スペースなど電源がない場所でも、「OC」を使えば設置位置を気にせずにデジタルサイネージが使えます。
また、別の使い方もあります。カエツホール(嘉悦大学の講堂)のような階段状の場所でビデオカメラをまわすとき、延長コードを使うのは安全な動線確保の観点で課題になっていました。
しかし、「OC」を使えば延長コードを使わずにどこにでもビデオカメラを設置でき、参加者にとっても運営者にとっても大きなメリットがあります。
地に足をつけて、一歩ずつ夢を追う
インタビューの最後に、お二人に今後の進路や将来の夢についてお話を伺いました。すると、この未曽有の災禍の中にあっても希望を失わず、地に足をつけてしっかりと未来を見据える、嘉悦大学ならではの学生の姿がはっきりと見えてきました。
私はずっと吹奏楽部で音楽に携わってきたのですが、奏者として生計を立てていくことの難しさは理解していますので、将来は奏者を支える側の職業に就きたいと考えています。嘉悦大学では「キャリア設計論基礎」という授業を1年次から必修で受けていることもあり、将来に対する考え方をしっかりと身に付けていこうと自然に思うようになりました。新たな挑戦は自分から動かないとできないことが多いと思いますが、嘉悦大学では必須科目の中で新しいことに接する機会を作ってもらえるので、これからも精一杯がんばりたいと思います。
IT業界の企業へ就職する予定です。嘉悦大学は、教室のレイアウトをプレゼンテーションしやすいように簡単に変えられたり、「グループワーク技法」という講義もあったりするなど、プレゼンやグループワークといった実践的なことに取り組むことが非常に多かったと思います。「TELECUBE by OKAMURA」や「OC」といった新しいツールに出会ったとき、試行錯誤しながら便利な使い方を模索していったように、ヘルプデスクの経験を活かしてこれからも挑戦を続けたいと思います。
編集後記
今回、インタビューに応じてくれたお二人以外の学生さんにもポータブルバッテリー「OC」について何か他の使い道はないかと尋ねてみたところ、「シェアハウスで共同生活中の人たちが特に重宝すると思います」という答えが即座に返ってきて、目から鱗が零れ落ちました。
学生時代の大半をコロナ禍で過ごしてきた学生さんへのインタビューということで、取材前は色々と気がかりなことも多かったのですが、新しいスタイルの学生生活を柔軟な発想で工夫し、逞しく楽しむ学生さんの様子を目の当たりにしたことで、心配は杞憂に終わったのでした。
Data
- 施設名
- 嘉悦大学(学校法人 嘉悦学園)
- 所在地
- 東京都小平市花小金井南町2-8-4
- 納入時期
- 2021年11~12月