オフィスづくりのコラム

COLUMN

社内コミュニケーションが活性化するオフィスづくりとは?
15の実践事例とともに解説!

2025.2. 3
  • ABW
  • コミュニケーション
  • フリーアドレス

テレワークが浸透しつつある昨今、オフィスでの雑談やプライベートでの関わりが減り、社内コミュニケーションに重点を置いたオフィス環境づくりのニーズが高まってきています。チーム内のコミュニケーション不足が深刻化すると、社員のワークエンゲージメントが低下し、チームのマネジメントも難しくなるなど、業務に支障を来すことも。

一方で、社内のコミュニケーションが活性化すると、社員のモチベーションや業務効率向上など、ポジティブな影響をもたらす可能性があります。この記事では、社内コミュニケーションをとるメリットや、社内コミュニケーションを促進する仕組みについて、オフィスの実践事例を交えて解説していきます。

目次

  1. 社内コミュニケーションをとるメリットとは
  2. 社内コミュニケーションを促進する仕組み
  3. コミュニケーションを向上させるオフィスの実践事例 15
  4. まとめ 

1. 社内コミュニケーションをとるメリットとは

社員同士が交わす会話や交流、情報共有などを「社内コミュニケーション」と呼びます。オフィスでの対面のコミュニケーションだけでなく、オンライン上のやりとりも社内コミュニケーションに含まれますが、この記事ではオフィスにおけるコミュニケーションを社内コミュニケーションと呼ぶことにします。

社内コミュニケーションを活性化させると、業務にポジティブな影響をもたらす可能性があります。社内コミュニケーションをとる主なメリットは、以下の5つです。

・アイデア・イノベーションの創出
社内全体でコミュニケーションが活性化されると、これまで関わりがなかった他部署との交流が生まれ、新たなアイデアやイノベーションが創出される可能性があります。

・モチベーション向上
オフィスでポジティブなコミュニケーションが生まれていると、出社することや働くことが楽しみになる社員が増える可能性があります。これにより、仕事へのモチベーション向上も期待できます。

・生産性の向上
コミュニケーションの活性化によりモチベーションが上がった社員は、仕事への意欲が増す可能性があり、業務の質や生産性の向上を期待できます。

・離職率低下
会社を離職する大きな理由の一つに、職場での人間関係の不和が挙げられます。一方で、コミュニケーションの活性化によって良好な人間関係が築ければ、離職率が低下する可能性があります。

・ワークエンゲージメント向上
ワークエンゲージメントとは、従業員の会社に対する「愛着」や「思い入れ」のことで、従業員が会社への貢献意欲につながる重要な指標の一つです。コミュニケーションの活性化によって仕事へのモチベーションが向上すると、会社へのエンゲージメントも向上する可能性があります。

2. 社内コミュニケーションを促進する仕組み

社内におけるコミュニケーションは、単にオフィスに人を集めるだけでは生まれません。コミュニケーションを促進するためには働き方の工夫や仕組みが必要です。以下では、社内コミュニケーションを促進するための仕組みを3つご紹介します。

■フリーアドレス

社内コミュニケーションを活性化させる働き方の一つにフリーアドレスがあります。フリーアドレスとは、オフィスの中に社員の固定席を作らず、自由な席で仕事を行えるようにする仕組みのことです。作業に集中したいときや、交流したいときなど、そのときどきの業務内容や気分に適した席を選べるため、作業効率が上がる可能性があります。このように活動に基づいて働く場を選べる働き方のことをABWActivity Based Working)と呼び、昨今のオフィスにはフリーアドレスとともに取り入れられるケースが増えています。

■カフェエリア・リフレッシュエリア

カフェエリアとは、ドリンクや軽食などの仕掛けによってワーカーが自然と集まり、会話が生まれることを目的としたスペースを指します。一方で、リフレッシュエリアは従業員がリラックスしたり休憩したりするために設けられるエリアです。こうしたカフェエリアやリフレッシュエリアを導入すると、休息を求めた社員が集まり、コミュニケーションが活性化されやすくなります。

■ミーティングエリア

ミーティングエリアは、従来の機能に加えて、何気ない会話からイノベーションを生み出す「コミュニケーションエリア」としての可能性が期待されています。会議に合わせて適切な設えを用意する、レイアウトを柔軟に変更できるようにする、業界・企業の社風やワークスタイルに合わせるといったポイントを押さえると、コミュニケーションを促進しやすくなります。

3. コミュニケーションを促進させるオフィスの実践事例 15

では、社内コミュニケーションを高めるオフィスとは具体的にどのようなものなのでしょうか。以下ではコミュニケーションを促進させるための工夫を凝らしたオフィスの納入事例をご紹介します。

(1)一堂に会することで増える、社員同士の交流

前テナントから譲り受けた什器や設備を活かしつつ、自社らしさを表現した工夫やアイデアがあふれる空間に。移動のしやすさやコミュニケーションの取りやすさを考えた執務エリアの動線など、社員のエンゲージメント向上のための配慮が随所に行き届いています。

株式会社YEデジタル | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(2)社員同士の交流と創造を促すコミュニケーションエリア

1フロアをフルリノベーションし、社員同士の交流と創造を促すワークプレイスを生み出した事例です。コミュニケーションエリアには、カフェスペースやダーツ、小上がりスペースなどが設けられ、他部署の社員同士が出会い、談笑できるような仕掛けが施されています。このフロアを活用することで、様々な出会いや創造が生まれていくことでしょう。

ダイコク電機株式会社 | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(3)各部門のメンバーが集う"拠点"をつくり、働きやすさとチームワークを実現

本社オフィスの移転を行った本事例では、社員同士のコミュニケーションが希薄になる課題を乗り越えるため、部門ごとに打ち合わせ可能なスペースを確保したり、各フロアを内階段でつなげたりしています。この「一体感のあるオフィス」なら、社員同士が気軽に交流を楽しむ姿を見ることができるでしょう。

ユニ・チャーム株式会社 | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(4)社員の意見を取り入れ、働く人たちにフィットする空間や交流の場を実現!

フロアの中央にレイアウトされたオープンなカフェエリアは、さまざまな部署の人たちが訪れる交流の場になっています。また、ワークショップを通じて挙げられた社員の意見を積極的にデザインへ反映することで、真に働きやすく心地よい、「働く人たちにフィットする」空間を実現しました。

株式会社朝日新聞社 東京本社 | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(5)業務効率が上がるミニマルな設えで、活発なコミュニケーションを創出

自分たちの業務にぴったりと合ったオリジナルなオフィスデザインは、社員の作業効率と満足度の向上につながります。さらに対話と集中が両立できる空間により、デザイナーの創造性を一層高めていくことでしょう。

株式会社オカムラ | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(6)ABWエリアを充実させ、交流と創造が生まれる仕掛けを

議論や集中作業、クリエイティブワークなど、さまざまな「働き方」にフィットする空間により、オフィスに行って働く価値を高める工夫が施されているのが特徴。また、状況に合わせて社員が移動することで、偶発的な交流も生まれています。「今日はどこで働こう」とワクワクさせる空間デザインにより、新たなイノベーションや出会いが生まれることでしょう。

ローランド ディー.ジー.株式会社 | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(7)思わず立ち寄りたくなる「憩いの場」が、インフォーマルな交流を生む

オフィスの各フロアに設けた共創空間に偶発的な交流が生まれやすくなる工夫を施し、さらにフロアごとに機能を変えることで、社員が目的に合わせて自分の働き方を自由に選べるのが特徴です。社員の「会社に行って仕事をしたい」という気持ちを高めてくれます。

IQVIA ジャパン グループ | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(8)バリエーション豊かな座席とフリーアドレスで、交流を生む

多彩な席種が展開される執務エリアは、フリーアドレスとABWにより、営業社員が機動性を高めて働けます。また、交流を生み出すための、空間をぐるりと囲む動線も特徴的です。

株式会社アイネス | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(9)ABWとグループアドレスを導入した色鮮やかな執務エリアで、コミュニケーションの創出をはかる

ABWとグループアドレスを導入した執務エリアにも、関西ペイント製の塗料を用いたり、カーペットの貼り分けによるグラデーションを演出したりと、""に惹かれる演出が施されています。随所に散りばめられた自社の魅力が話のタネとなることでコミュニケーションを生み、会社への愛着心を育む場となっていくことでしょう。

関西ペイント株式会社 | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(10)カフェエリアで仕事したい人も、リラックスしたい人も共存できる場に

新オフィスはカフェのような空間で働きやすさと居心地の良さが追求されています。さらに、新しい運用方法としてフリーアドレスを採用することで、社員同士が自由に行き交い、交流が円滑になるオフィスになっています。

北電情報システムサービス株式会社 | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(11)チームを越えた交流やコラボレーションを生む、変幻自在の空間

様々なワークスタイルが広まる中、社員に対してオフィスに来る価値を醸成するために、魅力的なデザインや機能が導入された事例です。チームが集まって連携し、チーム単位でパフォーマンスを発揮する場所を作る「TBWTeam Based Working)」のワークスタイルも特徴的です。

森トラスト株式会社 | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(12)ABWのワークスタイル×仲間が集まる「部室」で、自由と一体感を実現!

オープンな円形空間を中央に置くレイアウトで、人と情報が留まらずに動きまわるオフィスを実現。収納スペースなどの機能面でも、工夫を凝らしています。新オフィスがコミュニケーションの中心として人を巻き込み、さらなる企業成長の拠点となることでしょう。

日本グッドイヤー株式会社 | オフィス | オフィスの事例・内装・デザイン・レイアウト | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(13)"仕事禁止"のリフレッシュスペースで、社員のモチベーション向上へ

お昼時には、たくさんの社員がリフレッシュスペースに集まります。 お弁当を広げたり、飲み物を片手に談笑したり、静かに心と体を休めたり。 それぞれが思い思いの時間を過ごせる寛ぎの空間は、社員のモチベーションアップに寄与することでしょう。 

末松九機株式会社(現 安川メカトレック末松九機)様の事例 | Design Stories / デザインストーリーズ|株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(14)経営陣と社員がともに働く執務エリアで フラットな関係づくりを

社員の執務席やジョインエリアと一体の空間で、社長や役員も社員とともに業務に当たっています。 この空間設計は、社長の「社員とコミュニケーションをとりながら働きたい」という熱い想いから生まれたもの。 役職に関係なくともに働く風土を醸成し、会社の新たな未来を築いていこうという意気込みが感じられます。 

特殊電極株式会社様の事例 | Design Stories / デザインストーリーズ|株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

(15)社員が自然と集まるリビングテイストの空間で、コミュニケーションを活性化

チームメンバーとコミュニケーションをとりながら、プロジェクトの打ち合わせや作業などを行うチームリビングエリア。 グリーンをたくさん使ったリビングテイストの空間は、社員が自ら集まりたくなる雰囲気があります。リラックスしてコミュニケーションがとれるソファ席のとなりには、チームで集中して作業ができるテーブル席も。 一人で集中したいときには壁際の集中席を使います。 

株式会社エスユーエス様の事例 | Design Stories / デザインストーリーズ|株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

まとめ

社員のモチベーションや業務効率を向上させる社内コミュニケーション。オフィスにおけるコミュニケーションの創出をはかるカギは、オフィス環境づくりにあります。

オカムラではコミュニケーションを活性化させる工夫を凝らしたオフィスの納入事例を紹介するホワイトペーパーを配布しています。皆さまのオフィスづくりにぜひお役立てください。

失敗しないためのフリーアドレス入門書

イラスト:Masaki