オフィスづくりのコラム
COLUMNオフィスの役員エリアは増えている?減っている?
データで見る20年間の変化
一般的なオフィスは、従業員が使う執務エリアを中心に、さまざまなスペースが複合的に組み合わさってつくられています。中には、会議室などほとんどのオフィスにあるスペースもあれば、食堂やカフェテリアといった、一部のオフィスにしかないスペースもあります。
今回ご紹介するのは、一部のオフィスにしかないスペースのひとつ、「役員エリア」です。「役員エリア」は役員室などを配置した、主に役員が使用するスペース。本社機能を持つオフィスなどには用意されていることが多く、一般の執務エリアとは異なる特別なスペースとして存在している場合が多いでしょう。
この特別なスペースである役員エリアは、現状ではどれぐらいの広さが一般的なのでしょうか? 調査結果をグラフとともにご紹介します。
役員エリアが占める面積の割合は20年間で3%減少 背景にはコミュニケーションに対する考え方の変化が?
オカムラのデータベースの中から、役員エリアがあるオフィスだけを抽出し、オフィス全体の中に占める役員エリアの割合を経年で示したものがこちらです。
上の図を見ると、時期による増減はあるものの長期的には減少傾向が続いており、2001年頃には8%程度でしたが、2021年には5%程度にまで落ちていることがわかります。
差分としてはたった3%程度の減少幅ですが、役員エリアにかかるコストなどを考えると、オフィスづくりへの影響は少なくありません。
では、なぜ役員エリアは減少傾向にあるのでしょうか? 最近ではオープンなコミュニケーションを指向して、役員クラスでも個室を持たないタイプのオフィスが生まれています。その背景には、組織の在り方や、コミュニケーションの方法・考え方の変化がありそうです。
まとめ
コロナ禍以降、テレワークが広がる中で、オフィスに出社することの価値が見直されています。特に雑談など対面コミュニケーションで生まれるものの価値が再注目されていますが、それは従業員同士だけでなく、経営陣と従業員の垣根を超えたものも含まれるのかもしれません。
イラスト:ウラケン・ボルボックス