オフィスづくりのコラム
COLUMNひらめきの出るフリーアドレス
オカムラ発行の書籍「オフィスと人のよい関係」よりオフィスづくりのヒントをご紹介します。
企業の関心が高いフリーアドレスのオフィス。
朝、出社したら、自分のロッカーからノートパソコンを取り出し、空いている席に腰掛ける。隣席の同僚にあいさつをして、軽く雑談。
席の数だけ、新しい出会いが生まれます。
フリーアドレスはスペースの有効活用といったファシリティマネジメントの視点に限らず、ワーカー同士のコミュニケーションの範囲を広げ、オフィス活動をより有益なものとしていくために導入されることが多くなっています。
それでは、コミュニケーションの活性化という視点から捉えた場合、どのような効果が期待出来るのでしょうか?
ここでは、フリーアドレスとコミュニケーションの関係性についてみていきましょう。
フリーアドレスとコミュニケーションの関係
オカムラでは、同じオフィスに入居し、自席が決まっていないフリーアドレスを実践する部門と自席が決まっている部門のワーカーを対象に、オフィスでのコミュニケーションに関するアンケート調査を行いました。
その結果、同じ部門内や担当内のコミュニケーションに対する満足度の差は小さいものでした。その中で、「新しいアイデアや打開策の得やすさ」については、自席の決まっているワーカーに比べてフリーアドレスワーカーの評価が非常に高くなりました。自席に比べて、より幅広い相手と会話ができたり、働く環境を自ら選べたりすることが好作用するものと考えられます。
一方で「部内のまとまり感」については、フリーアドレスワーカーの方が、自席の決まっているワーカーより低い評価となりました。フリーアドレスを実践する際には配慮が必要なポイントといえるでしょう。
まとめ
今後、さらに人材の流動化が進むにつれて、個人が持つノウハウを早期に組織の中に吸収していくことは、組織力を継続的に保つために欠かせない要素です。そのためにも、隣に座る人が変わることで新たな刺激を受けたり、他のワーカーからノウハウを学ぶチャンスに巡り合えたりするフリーアドレスの実践もひとつの手といえます。
出典 -オフィスと人のよい関係/岡村製作所(オカムラ)/日経BP社/2007年