オフィスづくりのコラム

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フリーアドレスが仕事のクオリティを高め、生産性を向上させる理由

2019.12.19
  • フリーアドレス
  • 生産性

フリーアドレスとは、これまでのように社員の固定席を作らず、自由な席で仕事を行えるようにするオフィスの仕組みです。執務席を固定しないことにより、オフィスを効率的に使用できてコストを削減したり、オフィス内のコミュニケーションを活性化したり、セキュリティが向上したりといった効果が期待できます。
フリーアドレスが初めて導入されたのは1980年代後半といわれていますが、昨今では「働き方改革」と関連して、ふたたび注目を集めるようになりました。
では、なぜ今、フリーアドレスがふたたびクローズアップされているのか、また、どんなメリットがあるのでしょうか。導入の際に注意すべきポイントも含めて、紹介していきます。

なぜフリーアドレスが広がりつつあるのか

毎年表彰、発表される「日経ニューオフィス賞(※)」。同賞に応募したオフィスを対象にオカムラが実施した調査によると、全体の2割を超えるオフィスでフリーアドレスが導入され、年々増加傾向にあることが分かっています。
このようなフリーアドレスの広がりは、「働き方改革」の流れと無縁ではありません。
例えば、フリーアドレスによって、自分の「定位置」に縛られずに、自由に席を移動できる働き方になることで、部署や場所にこだわらず、部門の壁を越えて他部署のスタッフと気軽にコミュニケーションしながら、アイデアを出し合って仕事を進めることができます。
実際に、オフィスで働く人を対象にオカムラが実施した調査からも、フリーアドレスの導入による効果として、働く人どうしの「コミュニケーションが増える」ことが上位となっています。

このようなコミュニケーションの増加や主体的な仕事への取り組みが、仕事を効率的に進めることや仕事のクオリティを高めることになり、生産性の向上につながる可能性もあるでしょう。

(※)日経ニューオフィス賞とは
日本経済新聞社と一般社団法人ニューオフィス推進協会が共催し、経済産業省と日本商工会議所の後援を受けて、創意と工夫をこらしたオフィスが毎年表彰されます。

フリーアドレスの導入を阻む「壁」がなくなった

冒頭に述べたように、フリーアドレスが初めて導入されたのは1980年代後半のことですが、このときには今のように広く普及することがありませんでした。
なぜなら、当時の企業オフィスでは、パソコンは分厚いモニターに大きな本体のデスクトップ型、電話は固定電話、社内外を飛び交う情報も紙の文書が主流だったからです。山積みの書類や大きなパソコンが個々人のデスクの上を占めていましたので、席を固定化しないフリーアドレスを導入することは困難でした。
しかし、現在はスマートフォンが普及し、タブレットやノートパソコン、どこへでも持ち運べるようになりました。さらにWi-fiなどの無線ネット環境も充実し、席を固定しなくても十分に仕事がこなせるようになりました。情報もデジタル化が進み、いちいち紙のファイルをひっくり返す必要がなくなりました。こうしたことからフリーアドレス化を阻んでいた「壁」がなくなったのです。

なぜフリーアドレスを導入するのか

「壁」がなくなるのにあわせて、フリーアドレスを導入する目的も変化しました。
かつてのフリーアドレス化の目的は、外出の多い営業部門などにおいて空席の回転率を上げるためにオフィスのスペースを減らし、コストを削減することにありました。いわば会社側の「都合」による改革であり、社員全員の一致協力を得にくい面がありました。これが普及が進まなかった理由のひとつでもあります。
昨今のフリーアドレス化は、上に述べたように、コミュニケーションを活性化し、働く人の意識を改革し、さらにペーパーレスをより進めることが目的となっています。ノマドワーカーや在宅勤務などが話題になり、多様な働き方に対する理解が深まっている今、働き方をより自由にすることは社員のニーズと一致し、受け入れられやすくなっています。
また、デスクや収納などを削減することは単なるコスト削減の省スペース施策ではなく、集中ブース、カフェタイプデスク、ソファ席といった様々な働く場を設けることにつながり、より新しい働き方を実現することが目的になっています。

ここでひとつ気をつけてほしいのは、フリーアドレスは、あくまでも上に述べたような目的を達成するための手段だということです。導入する企業が多いからといって、フリーアドレスを導入することが目的になってしまうと、いざ導入しても運用がうまくいかずに、失敗してしまう可能性が高まります。

フリーアドレス化にあわせてペーパーレスも促進

ここで、「ペーパーレス」についてもふれておきましょう。
先ほど述べたように、かつてのオフィスでは、個々人のデスクには資料が詰まれ、引き出しも資料でいっぱいでした。紙資料の多さは、現在でも課題にしている会社が多いでしょう。

注:ファイルメーター(fm)とは、オフィス内の書類等をすべて積み上げた時の高さ(メートル)を表す。ファイルメーターを人数で割ると1人当たりの収納量が算定できる。

フリーアドレス化にともない、個人デスクで保管されていた書類を整理し、重複のないように共有の収納システムに集約すれば、オフィス全体の書類削減にもつながります。
あわせて書類のデータ化を進めれば、書類に縛られずにどこでも働くことができ、書類の共有も容易になり、必要な情報を検索する時間も削減できることになります。
フリーアドレスは、個々人が書類に使っている収納面積を、みんながより快適に働ける空間として活用することにつながります。

フリーアドレス導入の進め方

最後に、フリーアドレスを導入するためのポイントを紹介します。
次のように、段階的に全社員に目的と運用ルールを浸透させることが効果的です。

1.全社員への説明会の開催

自席がないという働き方に変えるには、個人の意識改革が必要になります。不安に思う方も少なからずいるはずです。フリーアドレス導入の目的はしっかりと共有し、浸透させましょう。

2 ワークショップや委員会などの開催

メンバーを選んで委員会を立ち上げたり、有志でワークショップを開くなど、フリーアドレス導入を社員参加型のプロジェクトとして扱うことで、全社員が目的を認識し、意識を改革することにつなげます。
この委員会は、導入が完了した後に生じた問題点などをフィードバックし、改善していく役割も担います。

3 運用ルールの作成

本格導入にあたって、しっかりとルールを決め、共有・習慣化させます。ルールは企業、職場、風土によってまったく異なるもので、正解はありません。ルールでがんじがらめにするのではなく、最低限の運用ルールと目的を共有することで、各個人の参加意識が高まります。

4 導入準備

全社で導入する前に、特定の部門でパイロット的に導入を行い、その結果をフィードバックして、自社に最適な導入の仕方を検討しましょう。あわせて、全社的にクリアデスクを呼びかけ、情報漏洩防止、美観向上を進めます。

5 ツールの活用

導入前後には、メールと比べて気軽にコミュニケーションが取れ、PCだけでなくスマホやタブレットでも使えるビジネスチャットや社内SNSなどの情報共有ツールなどの導入も検討しましょう。フリーアドレスの目的を明確化し、運用ルールをサポートするためにも情報共有ツールは必要になります。

 

フリーアドレスについては、下記のページでも詳しく説明しています。フリーアドレス導入のご検討にあたって、ぜひご参照ください。


フリーアドレス | 執務エリア | デザイン・オフィスデザイン事例【オカムラ】
https://www.okamura.co.jp/office/works/image_search/#/areakeyword/フリーアドレス

オカムラの家具で実現する「フリーアドレス」

オカムラでは、働き方やオフィス環境が多様化する中で使う人の個性を尊重し、心に響く家具を生み出しています。

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