未活用のエリアを改修し、コラボレーションを促す多目的空間へ ――開所直後のアンケートで社員満足度100%を実現した交流拠点
株式会社NTTドコモ 様

未活用のエリアを改修し、コラボレーションを促す多目的空間へ ――開所直後のアンケートで社員満足度100%を実現した交流拠点
Project Data
- プロジェクト名
- 株式会社NTTドコモ 本社29F改装プロジェクト
- 面積規模
- 約490㎡
- 人員規模
- 約100名
- 完成年月
- 2024年3月
Point !
既存の会議室ではかなわなかったイベントや交流を実現する『ドコモコミュニケーションキャビン(docomo Communication Cabin)』。活用されていないスペースを改装し、機能性と柔軟性を兼ね備えた共創空間づくりに取り組んだ事例です。研修や懇親会など幅広いシーンに対応するオープンエリア、集中した議論や学びを深める会議室、リラックスしながら対話を楽しむセミオープンな部屋と、用途に応じて使い分けられる多彩なエリア設計が特徴です。さらに、原状回復を考慮した設えでテナントの制約に対応し、既存設備の再利用によるコスト削減も実現。企業のビジョンを具現化しつつ、課題を克服するデザインで、社員同士のコミュニケーションを促進する多目的スペースが誕生しました。
Project Story
NTTドコモ様のファーストオーダー
既存の会議室ではかなえられない共創を実現する空間を
わたしたちNTTドコモは、お客さまへの提供価値のさらなる向上をめざし、2022年にグループ会社間で組織の再編成を行いました。新ドコモグループとして事業展開をするうえで、グループ会社内の交流を活性化させる必要があると感じています。社員の声を集めたところ、今ある会議室では実現できないイベントやコミュニケーションの場を求める意見が多く寄せられました。こうしたニーズを受け、かつてショールームとして使われていたものの、現在は未活用の29階の一部を改装し、新たな共創空間をつくりたいと考えています。
改装工事を行うためには、テナントの制約を踏まえ、原状回復と返却の可能性も考慮した工事内容を考える必要があります。これらを解決するために、オカムラさんの提案を受けながら、実現に向けた計画を進めたいと思います。
新しい共創空間が社員やグループ会社間の連携を強化し、イノベーションを加速させる場となることを期待しています。

ゾーニングと紹介するエリア
つながりの出発点となる エントランス
「Rotary」は、訪れる社員を温かく迎え入れるエリア。木の壁とフェイクグリーンが屋外のような開放感を演出し、「知の共有と交流の旅」への始まりを感じさせます。以前のショールームでも採用されていた曲線デザインを活かし、既存の照明を残してホワイトボードを新設。文字を書いたりマグネットで紙を貼り付けたりと、イベント受付にもぴったりの工夫が施されています。
先進的なデザインとナチュラルな雰囲気が調和したエントランスは、訪れる人に新鮮な驚きを与えます。
交流が広がるイベントスペース
研修やワークショップ、交流会など多彩な用途で利用される「Park」。音楽ライブやスポーツのパブリックビューイングなど、当初は予想していなかったイベントにも活用されています。ウェビナー同時配信用のスピーカーやカメラは、空間のすっきりとした印象を損なわないよう配置。天井設置型のシーリングマイクもその一環です。汚れを拭き取りやすい床材で、食事やアルコールを伴う懇親会でも清潔感が保たれます。オープン1カ月後の利用者アンケートでは満足度100%を記録し、社員同士のつながりを深める拠点として親しまれています。
個性豊かな会議室を使い分け 共創を加速させる
さまざまな利用場面を想定し、各会議室には異なるデザインコンセプトが採り入れられています。「School」は、和気あいあいと学び合う場をイメージ。可動式のコンパクトなデスクと椅子が採用され、シチュエーションに合わせて配置を簡単に変更できます。黒板とチョークを思わせるボードや板張り風の床が学校の懐かしさを想起させる一方で、スチールのポップな赤がアクセントとなり、現代的でフレッシュな印象に。活発な意見交換が行われる空間です。
About this Project
- 業種
- 通信
- 企業名
- 株式会社NTTドコモ
- 所在地
- 東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー29階
- WEBサイト
- https://www.docomo.ne.jp/
- デザイナー
- 関連タグ
Credit
- 編集
- 水上アユミ(ノオト)、オカムラ編集部
- 執筆
- 合戸奈央
記事内の情報は取材当時の情報です。
この記事は2025年4月 8日に公開されたものです。