創造性を解き放つ、 デザイナーの"秘密基地"
――ものづくりにフォーカスした ガレージ風セカンドオフィス
株式会社オカムラ
創造性を解き放つ、 デザイナーの"秘密基地"
――ものづくりにフォーカスした ガレージ風セカンドオフィス
Project Data
- プロジェクト名
- オカムラ赤坂ビル05F 改装プロジェクト
- 面積規模
- 約180㎡
- 人員規模
- 約30名/25ワークポイント
- 完成年月
- 2024年02月竣工
Point !
プロダクトデザイン部門特有の仕事内容とカルチャーにフィットするオフィスづくりの事例をご紹介します。ものづくりをするデザイナーの業務を深く理解することで導き出されたデザインコンセプト、エリアのゾーニング、照明などの機能が特徴的です。コンパクトな空間でも収納方法の趣向を凝らすことで整理整頓がしやすくなり、素材の持ち味を意匠として活かす工夫も印象深いです。
自分たちの業務にぴったりと合ったオリジナルなオフィスデザインは、社員の作業効率と満足度の向上につながります。さらに対話と集中が両立できる空間により、デザイナーの創造性を一層高めていくことでしょう。
Project Story
プロダクトデザイン部門 のファーストオーダー
プロダクトデザイナーの拠り所になる、
ものづくり専用の空間を
2021年よりフリーアドレスを導入したヘッドクォーターオフィスは、わたしたちプロダクトデザイン部も入居し、部門を超えた活発なコミュニケーションと多様なワークスタイルを実現しています。しかし、フリーアドレス化により若手デザイナーが先輩の作業を直接見る機会が減少し、技術継承やインスピレーションを得るための対話が不足する課題も生じています。また、大型プロダクトの模型を置くスペースなどが確保できておらず、他部署に気を遣いながら作業にあたっているのが現状です。
そこでわたしたちは、赤坂にある自社ビルのワンフロアを改装し、周囲に気兼ねせず作業に取り組めるデザイナー専用のセカンドオフィスを整備することを決めました。デザイナー同士が互いの仕事を見て触発され、自然と世代間のコミュニケーションが生まれる。そんな、ものづくりの拠点になる空間を望んでいます。
ゾーニングと紹介するエリア
インスピレーションを刺激する アトリエ空間
赤坂にあるビルの5階、プロダクトデザイン部のオフィスに足を踏み入れると、目の前に広がるのは開放的な工房エリア。スチールやアイアンの無機質な質感と、作業台やカウンターデスクに用いられた温かみのある木素材が調和し、洗練された作業空間が生み出されています。
中央に置かれた高低差がある作業台は、紙模型を組み上げたり多くの図面を広げたりするのに十分な大きさで、存在を放っています。キャスター付きで移動も自在で、複数人でのレビューや部内ミーティングに活用されることも。綿密なヒアリングに基づいて造作された下部の棚には、工具がぴったりと収まっています。
空間全体は黒を基調としつつ、壁や家具の一部に鮮やかな色が施され、落ち着いた中のポップなアクセントに。感覚を刺激する要素が散りばめられ、クリエイティブな雰囲気が溢れています。
機能と意匠が融合した ワークツール&ストレージ
窓際のカウンターデスクは、PCを使った執務を行えるスペース。作業台にほど近い距離にあり、振り向けばものづくりに勤しむ仲間と気軽にディスカッションしたり、PCで制作したアイデアをもとに手を動かしたりできます。
天井から吊り下げられた収納スペースには金属が使われており、高い耐久性と使い勝手の良さに加えて、ガレージらしさを醸し出しています。オフィスの照明は手動で色温度を変えられ、製品の素材や色の見え方をさまざまな照明環境で確認できます。自動調光の機能もあり、午前は明るめの昼光色、夕方は穏やかな温白色へと変化し、働く人たちの生活リズムに配慮されています。意匠と共に、機能面でのこだわりが感じられます。
About this Project
- 業種
- プロダクトデザイン
- 企業名
- 株式会社オカムラ
- プロジェクト名
- オカムラ赤坂ビル05F改装プロジェクト
- 所在地
- 東京都千代田区永田町2丁目13-1
- WEBサイト
- https://www.okamura.co.jp/
- デザイナー
- 編集
- モリヤワオン(ノオト)、オカムラ編集部
- 執筆
- 合戸奈央
- 写真
- 山内紀人
- 関連タグ
記事内の情報は取材当時の情報です。
この記事は2024年9月18日に公開されたものです。