Real Voice 1

新しい働き方がもたらしたもの

空間を選べることで
気持ちにも余裕が生まれ、
みんなの表情も明るく

予防部保安課 小柳宏子様 総務部人事課 上原啓史様
Introduction

横浜市消防局の新本部庁舎が誕生しました。ここではコミュニケーションが強化され、職員が主体的に働く「場」を選ぶことで、生産性や効率性の向上につなげています。また、ワゴンレスによりペーパーレスを推進し、デジタル化により情報の共有を図りました。さらには職員のストレスを軽減し、モチベーションを向上させ、一人ひとりが健やかに働ける環境としています。全国の消防職全体の働き方を牽引する存在として、注目を集めています。

第3回インタビューでは、実際に新たな執務環境で働いている、予防部保安課の小柳様と総務部人事課の上原様に、日々の実感などについて伺いました。

Choice

場所を選ぶことで、
働く自由度が高まった

まずは、旧消防本部と現在の執務環境の⽐較について教えてください。

以前の環境では、デスク下に配線があり椅子がぶつかってしまうなど、個人スペースが狭くて窮屈な状況でした。また、暗いイメージもありましたが、ここではいろんな面で仕事がしやすくなったと感じます。ノートパソコンを自由に持ち歩き、どこでも通信環境があり、モニターが各所にあるのでスマートに仕事ができます。

以前は何十年も経過している庁舎で徐々に人も増え、手狭な印象がありました。新本部庁舎ではフロアに柱がなくオープンなので、部門を越えて業務の様子を感じ取ることができ、人の顔もよく見えます。いろんな人に話しかけやすくなってコミュニケーションが取りやすく、とても快適です。 無線LANの採用によって、会議や打ち合わせがしやすくなりました。また、旧庁舎には会議室が少なかったので、予約したい日時が埋まっていると職員間で連絡を取って譲り合いながら利用している状況でした。ここでは執務スペース内にいろいろなバリエーションの打ち合わせスペースがあるので、会議室に移動することなく効率的に打ち合わせができます。また、コロナ禍を契機にWEB会議も増えましたが、今は集中ブースを使ってWEB会議ができるのでとても便利です。

予防部保安課 小柳宏子様
Paperless

紙ベースで仕事をしていたことが、
今では非効率だったと感じる

今回の移転や働く場・働き方の改変について、最初に聞いた時にはどう思われましたか?

最初は移転と言っても、無線LANの環境が変わるくらいなのかなと思っていました。まさかこんなカッコいい場になるとは思っていませんでした。

そうすると、仕事に対するモチベーションもかなり上がったわけですね。

もちろんです。私は人事課で採用を担当していますので、横浜市消防局への就職希望者で、新庁舎を見学したいという問い合わせはよくあります。その時に、こちらも紹介のしがいがあるというか、自信満々で説明ができますから、ありがたいことだと思います。また、人事課は特に個人情報を扱うので、集中ブースやワークブースなど個室空間が設置され、とても仕事がしやすくなりました。

ペーパーレスの推進とデジタル化によって、効率的に情報が共有されているでしょうか?

文書量や紙を減らすことに最初は抵抗感もありましたが、環境が変わると意外に慣れるものですね。最近は上司への説明もモニターで行うようになり、確実に業務の効率化につながっています。

私は、資料をモニターに投影して、紙を利用しない業務の進め方をしています。今ではデジタルで業務を行うことが普通になり、時間が経てば慣れるものだなと感じます。
また、紙ベースで仕事をしていた時は、どの職員も印刷する機会が多かったと思います。移転後に使用した紙の量は、以前に比べて相当減ったのではないでしょうか。会議資料の準備にかける時間も格段に効率化できていると感じています。

総務部人事課 上原啓史様
New Communication

顔を上げれば
そこに頼れる仲間がいる

新しい職場で、コミュニケーションは活性化されていると感じますか?

現在は、上司である課長、係長も同じ島にいるので、後ろを向けばすぐに相談できる環境です。自席に居ながらにして相談したり、コミュニケーションが取れることは、仕事のスピードアップにもつながっています。

私も課長と話す機会が以前より増えました。多くの人に声を掛けやすい、掛けてもらいやすい環境になって、コミュニケーションの量も質もアップしたと実感します。

健やかに働ける、癒しのある執務環境になっていることも大きな特徴ですね。

緑が多くて、フェイクグリーンですが本物みたいで目に優しいです。家具のカラーリングもカラフルで癒されます。環境が明るくなって、みんなの表情も明るくなったような気がしますね。

私がメインで仕事をしているところが目の前にパネルを設けた半ブース型なので、まるでカフェみたいに集中かつリラックスして仕事ができています。とりわけリフレッシュする必要がないのはありがたいことです。

Work in life

きっと人が
イメージする以上に、
時間を効率的に使っている

新庁舎への移転を通して「働くこと」「働き方」について考える機会になったと思います。どのような想いがあるでしょうか?

働く上では、プライベートの充実も含めたライフワークバランスが重要だと思いますが、仕事においては「時間」というものが大切だと考えています。私たちは限られた勤務時間で業務を行いますから、効率的な時間の使い方が大切。働き方が変わることによって、ペーパーレス化が時間短縮につながり、すぐに上司に相談できる組織やレイアウト、さらには業務内容に合わせて場所を選べることなども時間短縮につながっています。おそらく外部の方がイメージされる以上に、私たちは「時間」を効率的に使うことができていると感じます。

いつも「どうしたらもっと効率的に仕事ができるか?」と考えていますが、基本的に仕事はみんなで協力して進めるものなので、コミュニケーションが取りやすくなったことは大きな効率化につながっています。また、リラックスしたり集中したり、自らの仕事の状況に応じた作業スペースを選べることで、気持ちにも余裕ができます。効率が悪いとストレスが溜まりますし、執務空間が整ったことは精神的にも健康的にもよかったと感じます。

Always changing

真の意味での先進を目指し、
未来へつなげる

最後に尋ねますが、横浜市消防局員にはどんな特徴や使命があると感じますか?

横浜市は377万⼈の市⺠を抱える⼤きな都市ですから、それだけ災害件数も多い。そのため消防⼒が⾼く、⾞両の台数も多いのが特徴です。また、横浜には⼭も海も川もありますから、それに対応する機能も備えています。新しいことにチャレンジ精神を持って、先駆者としてさまざまなことに取り組んでいると思います。

横浜市に限らず消防職員は災害時に迅速かつ的確に対応するという使命があり、万が一、大規模災害が発生したときには、迅速に情報収集をして被害を最小限に抑える必要があります。しかし、旧庁舎の通信環境は有線LANに限定され、司令センターと離れた場所で情報収集していたため、効率性は大きな課題でした。今回、新本部庁舎が整備され、指令室と同フロアに本部運営室ができ、各執務フロアにも作戦室があります。そうしたことによって、各班本部内だけでなく、本部と現場間での情報共有の効率化が大きく改善されることが期待できます。

横浜市消防本部には、先進のプライドというものもあるのでしょうね。

他の本部から先進的だという目で見られている意識はあります。国の動向や他都市の状況も常に確認しながら、真の意味での先進をこれからも目指していきたいです。

私も他都市の本部から問い合わせを受け、横浜市消防局が注目されていることを感じます。多くの人から期待されている分、それに応えたいですね。 また個人的なことですが、庁内イベントで子どもたちを新庁舎に連れてくる機会があり、「お父さんはここで働いているんだよ」と誇らしげにオフィスを見せることができました。この環境を活かし、子どもたちに胸を張れるよう、職務を果たして行きたいと考えています。