Real Voice 1

先駆的な取組を支えたもの

働く場が変わり、
働き方が変わり、
みんなそれぞれに「いい顔」へ

総務部長 佐々木功喜様
Introduction

横浜市消防局では、新本部庁舎整備に当たり、新本部庁舎整備推進委員会を平成30年10月に発足させ、局内の検討体制を段階的に強化してきました。推進委員会の下部組織として課長級職員からなる12の作業部会を設置し検討することで、ボトムアップを重視したオフィス環境の構築を推進し、市民の命を守る職員をバックアップするオフィスを整備しました。

第1回インタビューでは、新庁舎整備推進委員会責任者、総務部長の佐々木様に、新しい働き方への転換に対するさまざまな想いを伺いました。

Interview
Bottom up

若手職員が中心となった、
ボトムアップによる
職場環境づくり

新たな職場環境は、いかがですか? また、以前のオフィスとはどのようなところが変わりましたか?

私自身、職場の引っ越しの経験が今までなく、初めは想像がつかなかったです。逆に「どう変わるかな?」という楽しみはありました。もしかしたら、私が一番ワクワクしていたかもしれません。
以前の環境は言うならば、狭い・暗い・古いといったところで、仕事にやりづらさやストレスを感じていました。私たちの仕事ではミーティングを行う割合が多いのですが、これまでは活用できるスペースが不足していました。今は広い執務エリアのどこでも打ち合わせができるので仕事がはかどり、職員が業務を進める上でのストレスもかなり解消されたのではないでしょうか。

以前の環境 以前の環境
新しい環境 新しい環境
このプロジェクトでは、若手職員が中心となりボトムアップによるオフィスづくりが行われたのですね。

最初にオカムラさんから基本的なプランをご提案いただいた中で、職員みんなでこのスタイルを選びました。正直私もこうしたABW のレイアウトを見たことがありませんでしたから、初めは不安もありました。いわゆる役所のオフィスというものは、狭いところに机が並んでいるものだという先入観もありました。しかし若い職員に聞いたところ、「ぜひこういうオフィスで働いてみたい」という声が返ってきたのです。
私のような残り少ない現職よりも、これからこの庁舎を使い続ける人の意見が大切なのは当然です。私の今までの経験から細かいところでアドバイスした部分はありますが、土台となる大きなところは若い人たちの意見でした。そして、本部庁舎は言わば本家本元ですから、就職を考えるこれからの人たちにもっと、この横浜市消防局を選んで働いてほしいという想いも強かったです。実際にこの場を見て、ここで働きたいと思ってもらえたらうれしいですね。

Relationship

空間が広くなったのに、
声がよく聞こえるようになった

指令機能と消防本部運営機能の一体化を行ったことで、「変化」を感じられるところはどんなところでしょうか?

これまでは司令センターが別棟にあり、区役所にあった消防本部とは連絡通路でつながっていました。ですから何かあるごとに連絡通路を渡って行き来する中でのやり取りになり、一体感がなかったと思います。今は何か起きた時、すぐに司令センターに行って情報を共有できます。家に例えるならば、「おもや」と「はなれ」に分かれているよりも、何をするにも早くて便利ですし、いい意味での家族感があります。

働く場が新しくなって、職員の皆さんに変化は感じられますか?

素晴らしい環境になり、職員の働き方は変わりましたね。例えば、会議。もちろん会議室を予約して使用することもありますが、みんながそれぞれにいろいろなところでコミュニケーションを取っている姿を見かけます。仕事の前後に、お茶を飲んで寛ぎながら話している風景もあります。交流が活発になりましたし、みんな良い顔をしていますよ。そして、空間が広くなったのに声がよく聞こえるようになりました。それは、よく仕事ができている証でもあると思います。

課長職までが一般職員と同じ島に入るレイアウトにしたことも、部門内の情報や知識を共有しやすくする意味でも画期的ですね。

横浜市役所新庁舎を見学し、管理職の席もオープンになっているのを実際に見て、これはいいなと納得しました。私たちは、部長席を設けたのですが、係長や課長は職員と同じ島に入っていますので、一体感があります。最初は抵抗感もあるのかな? と思っていましたが、今ではより連携が深まっているように感じています。

Smart Workstyle

モニターや
ノートパソコン
の利用で、
スマートな働き方に

特に「ここが、以前よりよくなった」と思われるのはどんなところですか?

以前より机上のモノが少なくなり、すっきりしたイメージがあります。袖机をなくし、紙を使うのをやめようということで、ノートパソコンを持ち歩いて仕事をするようになりました。そうしたスマートな働き方に、みんな順応性があったと感じます。
また、場所ごとにモニターを設置しており、どこでもパソコンを持ってサッと集まり、即時に情報共有できるようになりました。資料を紙にすると、どうしても機動力が損なわれます。見学に来られた方からも「ずいぶんモニターが多いですね」という感想をよく耳にします。

見学に訪れた方は、この環境を見てずいぶん驚かれるのではないですか?

そうですね。新しい本部庁舎ができて、他都市の消防本部の方々がよく見に来られるようになりました。「素晴らしい消防本部ですね。私たちも次はこんな環境にしたいです」と皆さんに言っていただけるのはうれしいですし、決して社交辞令ではないように思います。これからももっと多くの方々に見ていただいて、ぜひ皆さんの職場にも役立てていただきたいです。

Confidence

「想い」のある人間に、
信頼して任せることができた

最後に、プロジェクトを主導した中心メンバーに対するご感想をお聞かせください。

事務局のメンバーはよくやってくれたと思いますし、相談もよくしてもらいました。良いオフィスになると信じていましたし、「任せるから進めてほしい」という話をしていました。部下を育成する重要な要素の一つには、「任せる」ということがあります。それはもちろん、丸投げするということではなく、見守り支えていたつもりです。
加えて、こうした大きなプロジェクトでは、担当者の想いや考え方というものも非常に重要になってくると思います。そういった意味でもこの新庁舎整備プロジェクトは、想いのある人間に、信頼して任せることができたと思っています。

皆さんの想いをつなげて完成した新本部庁舎により、さらに一層災害に対する対応力の強化につながるのですね。

実は引っ越して間もなく、年明け早々の非常事態において、石川県に緊急消防援助隊を派遣しました。そこで、この職場環境があったことにより、派遣の仕方などの決定も以前より迅速に行えたことを実感しています。これからも、新庁舎の環境を最大限に活用し皆さまのお役に立てるよう、消防本部一丸となり、消防の果たすべき役割にしっかりと応えていきたいと考えています。