Real Voice 3

中野区長 酒井 直人

人と人が
もっと“つながる”
新庁舎から“はじまる”
未来に期待したい

酒井 直人(中野区長)
Innovation

前例に捉われない革新的な取り組みを、トップとして後押しした酒井直人中野区長。新庁舎における「中野区らしさ」や、新しい働き方、今後の自治体庁舎のあり方などについて、幅広くお話を伺いました。

Interview
Innovation

これまでにない新たなシーンが
見られるようになった

「つながる はじまる なかの」をキャッチフレーズとする中野区ですが、新庁舎ではさまざまな新しいつながりが生まれています。どのようなことをお感じですか?

区民の皆さまに使っていただける数々のスペースを1階に創り、イベント以外の時も自由にご利用いただいています。旧庁舎ではそのようなスペースがなかったので、用事のない方は訪れなかったでしょう。今はふらっと立ち寄り、ちょっとコーヒーでも飲んで仕事をしていこうとか、中学生が宿題をここでしていこうよなど、さまざまな使い方のシーンが見られます。ヨーロッパで“City Hall”と言われるところが市民の集う場所であるように、新しい区役所が“City Hall”としての役割を担えるようになったと感じます。

特に「なかのスマート窓口」という取り組みにも力を入れましたね。

区民アンケートなども取りながら改善を続けたいと考えています。特に3月や4月という繁忙期には窓口が混み合いますから、業務BPR(Business Process Reengineering)の視点で分析をして見直しにつなげたいです。わざわざ足を運ばなくても済むという「行かない窓口」も、もっと進めていく必要があると思いますし、法令制限のある対面サービス以外はどんどん移行していきたいです。

酒井区長は区職員時代から、率先して業務改革に取り組まれてきたと伺っていますが。

当時は職員側の業務改善を進めており、オンライン手続きなど夢のまた夢という感じでした。認証の仕組みもようやくでき、今では区民の皆さまの手続きをオンラインでできる基盤が整いつつあります。来庁いただき手続きをするという時代は間もなく終わると思いますので、時流に合わせて柔軟に変わり続ける必要があると考えています。

Smart Work

今まで時間がかかっていたことを
他の有意義なことに当ててほしい

新庁舎における「中野区らしさ」はどのようなところにお感じでしょうか?

1階にはワークショップスペース「シェアノマ」や区民の会議室もあり、ガラス張りで活動の様子が見えることも区民の皆さまが「つながる」きっかけになるのではと思います。また、文化芸術の発信拠点として区役所を積極的に活用していきたいと考えています。中野区には大きな美術館や博物館はないのですが、新庁舎では“アール・ブリュット”と呼ばれる障がい者の方などの表現や、中野区にゆかりのあるアーティストの作品を展示し、区民の皆さまに知っていただける仕掛けをつくりました。そうしたものを通して身近に文化芸術を感じていただけると思います。

職員の働き方改革について、どのように変わってほしいとお考えですか?

作業をなるべく効率的に行える環境は、新庁舎で整ったと思いますし、生成AIも議事録などに使い始めています。そうした新しいものも取り入れながら、今まで時間がかかっていた部分を、もっと別のところに注力できるようになるといいですね。また、せっかくフリーアドレスも導入したので、課長や係長と周りの職員とのコミュニケーションも活発になればと期待しています。

酒井区長ご自身の働き方は、以前と比べてどう変わりましたか?

基本的に部課長の説明では紙を一切使わないなど、私自身もペーパーレス化に取り組み、おかげでデスク周りがきれいになりましたね。いろいろな仕事の整理もつきますし、資料を探そうとしても検索すればすぐに出てきます。電話ではなく反応の早いチャットを活用し、業務も効率的になりました。自分のスケジュールも携帯端末で見ることができますし、役所へ行かないと分からないということがなくなりました。

1階「ナカノのナカニワ」では区の情報や展示を定期的に入れ替えて発信し、いつ訪れても発見のある、区民を飽きさせない仕掛けがなされている。
New Standard

N-BASEはきっとこれからの
自治体庁舎のスタンダードになる

職員の方々から聞こえてくる声はいかがですか?

福利厚生の面では、今までなかった休憩室もバックヤードにできましたし、喜ばれていると思います。今まではカウンター越しに見える自席でランチを取ることが多かったわけですから。職員が安心してリフレッシュできるスペースができたのは良かったと思います。

N-BASEについてはいかがでしょうか?

オカムラさんのラボオフィスの見学で、N-BASEの手本となるような空間も見せていただき、ぜひやるべきだと確信しました。民間の企業ではオフサイトミーティングとも呼ばれていますが、みんなが集まり自由に投げ込み型の議論ができるようになったのです。実際の運用についても職員が考えてくれて、週に2回1時間ずつコアタイムを設けて、会議を行う前に方向性を探るための場としても使えています。自分の部のことについて、他の部長から意見を聞きたいこともあるでしょうし、とても良いです。ひょっとすると、このスペースがこれからの自治体庁舎のスタンダードになるんじゃないですか。これをやらない理由がないと思います。部長室を作って部長をそこに籠らせるメリットを私は感じません。私自身もN-BASEに立ち寄り、密に部長と話をするようになりました。

最後に、今後の期待をお聞かせください。

仕事を効率的にするという意識は、職員みんなが持っていると思います。また、新しい環境を活かしていろいろと工夫をしている職員が何人もいるという話を聞いています。そうした工夫や努力がつながり、区民サービス全体に広がっていくことを期待しています。