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2015.06.15  

森にやさしい伝統技術 ホースロギング(馬搬)

馬は、歩きやすい道を知っています。森のなかで、人から木材を託されると、馬はじぶんで歩く。目的地まで先に行き、待っていることさえあるそうです。人と馬が一体となって、森から木を運びだす「ホースロギング(馬搬)」。日本の森で昔から行われてきた、自然に寄り添う林業技術です。

馬が歩くと適度に耕され、山菜がよくとれる。そう言われることもあるように、「馬搬」は森にやさしい手段。車体の重い重機に比べると、地表へのダメージは極端にすくない。新たに作業道をつくる必要もなく、小回りがきき、立木を傷つけることもほとんどない。重機が入れない斜面や、いりくんだ森林でも活躍できる。斜度25度くらいまでなら、馬が引ける。そして、森にやさしいだけではありません。日本で一般的に行われている小規模林業において、馬搬は手間やコストの面でも有利なことが多いのです。ヨーロッパでは今でも活発に活用されている優れた林業技術なのです。

ほんの数十年前まで、日本各地の森林であたりまえの光景だった「馬搬」。その技を受け継ぐ人は、いまでは岩手県遠野市に残るだけとなり、名手2人も高齢化してしまいましたが、それを継ぐ次世代のチームが「馬搬」の普及や啓発に取り組んでいます。

古くて新しい自然によりそう林業技術を、日本でも復活し普及することをめざし、ホースロギングファニチャープロジェクトは続きます。

初出日:2015.06.15 ※会社名、肩書等はすべて初出時のもの