point 0 marunouchi
OFFICE

point 0 marunouchi

株式会社オカムラ/ダイキン工業株式会社/パナソニック株式会社/ライオン株式会社/TOTO株式会社/株式会社MyCity/
TOA株式会社/東京海上日動火災保険株式会社/アサヒビール株式会社(2019年10月時点)

多様性のある「空間」が、多様性のある「働き方」に作用する

木の温もりと緑にあふれた、メインのオープンラウンジ。家具や照明、空調などに、さまざまな工夫が施されている。

オープンラウンジには、テーブル席やカウンター席、ソファ席などのさまざまな設えが用意されている。

自然を取り入れたオフィスには、観葉植物が至るところにあふれている。

まるで外にいるかのような心地よい木漏れ日も感じることができる。

未来のオフィス空間と
働き方のソリューションへ

「.0」…ここから、何かが始まる。未来のオフィス空間づくりに向けた大規模な実証実験が、2019年7月16日にスタートした。最初の場所は、丸の内。会員型コワーキングスペース「point 0 marunouchi(ポイントゼロ マルノウチ)」が産声を上げた。参加したのは、オカムラ、ダイキン工業、パナソニック、ライオン、TOTO、MyCity、TOA、東京海上日動火災保険、アサヒビール(2019年10月時点)という業界の垣根を超えた企業たち。この場で、あらゆる空間にまつわるデータを蓄積・共有する空間IoTデータベースプラットフォーム「CRESNECT(クレスネクト)」を活用した第1弾プロジェクトとして、未来のオフィス空間と働き方のソリューションを生み出していく。

 さまざまな業界をリードする企業が最先端の技術を持ち寄り、それぞれの知見を結集させたからこそ、このオフィスが誕生したとも言える。明日に向けた、ハイブリッドオフィス。参画する企業は、今も増え続けている。

 同時に立ち上がったコンソーシアム「point 0」では、「新しいオープンイノベーションのカタチを生み出す」「空間とそこにいる人によって形成されるさまざまな『場』を再定義する起点となる」ことをめざしている。根底にあるのは、働き方改革だ。しかしここで行われる実証実験は、「場が、働く人や働き方に対して、どんな効果を生み出すか」を具体的に紐解くものである。オフィスでの動線、仕事中の姿勢、室内の温湿度、内装のデザイン、照明、音、空気、香り、さらにはアルコールを含めた飲食まで、さまざまな要素が働く人に及ぼす効率性や創造性、健康への影響を収集・分析する。つまり、一つの空間を構成するあらゆる要素に目を向けて、その一つひとつに対して「人が快適さを感じられる最適な状態」を設定するのだ。また、実際に利用した人から得られる情報もフィードバックし、効果を検証しながら空間コンテンツの高度化を図ろうとしている。これから未来へ向けて、常に成長を続けるオフィスなのだ。

1行目:自席と収納を持てる専用席エリア。

自席と収納を持てる専用席エリア。

3行目:プライベートオフィスは、全18室。会社やチームごとに契約して、サテライトオフィスのように利用できる。

プライベートオフィスは、全18室。会社やチームごとに契約して、サテライトオフィスのように利用できる。

2行目:期待感を高めるエントランス。入退場には顔認証システムを導入している。

期待感を高めるエントランス。入退場には顔認証システムを導入している。

木漏れ日や風、鳥の声など
細やかな要素が働き方に響く

「point 0 marunouchi」には、企業やチームごとに契約するプライベートオフィスもあれば、個人でも利用できるオープンラウンジもある。そして、利用者一人ひとりが目的や好みに合わせた働き方ができるように、まさに多彩なコンテンツを備えたさまざまな空間を用意している。総席数は250席。利用者は自身にとって快適な場を選ぶことができる。

 だからここには、ワクワクする空間がたくさんある。例えば、スペシャルティコーヒーを提供するカフェ、マインドフルネスをサポートする瞑想・ヨガのスペース、音や視線をシャットアウトする集中ブース、作業効率を高める仮眠ブース、無料のシャワールーム、目的に合わせたさまざまなタイプの会議室、80名収容可能なイベントスペース。さらにはIoTを活用した働き方改革のソリューションがあり、働き方の未来をつくるコミュニティやイベントがある。

 また、このオフィスには、「軽井沢」もある。保養地として名高い「軽井沢の風」の計測データを用いて、その風を再現する空間もオフィスの一部に設けているのだ。それだけではない。北海道の森林で集音した自然環境音が流れる空間もある。人は、どのように心地よさを感じているのだろうか。その要素は何か。最適解はあるのか。「point 0 marunouchi」が、ずっと問い続けていくことである。

 そしてここには、心を癒す豊かなグリーンがある。この緑濃き環境の中で、人はどう働き、何を感じ、どんなものを創造していくのか。そうした「オフィスの未来」を考えることは、「人は未来に対して、どう生きるか」を考えることと同じなのかもしれない。

ヨガや瞑想などリラックスできるメディテーションルーム。

タイプの異なる会議室が、3部屋用意されている。

バリスタが本格コーヒーを淹れてくれるカフェには、ビアサーバーや軽食なども用意されている。

壁の色やイラストなども、心地よいグリーンでコーディネートされている。

ホワイトボード、ディスプレイ、収納など多目的に使える、印象的な壁面グリッド。

1行目:周囲を気にせずに話せる防音の電話ブース。

周囲を気にせずに話せる防音の電話ブース。

3行目:集中ブースには、上下昇降デスクを採用。その時の気分に合わせて、立ったり座ったりできる。

集中ブースには、上下昇降デスクを採用。その時の気分に合わせて、立ったり座ったりできる。

2行目:無料のシャワールームもあり、皇居ランニングの後などにも使用されている。

無料のシャワールームもあり、皇居ランニングの後などにも使用されている。

4行目:利用者のウェルネスに配慮した仮眠室。

利用者のウェルネスに配慮した仮眠室。

DATA

所在地東京都千代田区丸の内2-5-1
丸の内二丁目ビル4F
オフィス対象面積1,082㎡
インテリア竣工2019年7月
オフィス基本設計・デザインクライン ダイサム アーキテクツ
オフィス実施設計オカムラ(吉田 直人、望月 康晴、伊藤 靖子)
bp vol.32掲載(2019.11発行)