bp Interview

トヨタ紡織株式会社 猿投開発センター2号館 7Fクリエイティブエリア

良いものに対する こだわりと信念が ここに結実しました!

トヨタ紡織株式会社
技術管理部
開発能力向上推進室 技術支援グループ
グループ長
杉山 守 さま(右)
デザイン部
第1デザイン室 第11デザイングループ
グループ長
篠澤 卓也 さま(左)
車室空間開発部
空間企画開発室
福岡 実穂 さま(中右)
デザイン部
江崎 有香 さま(中左)
今まで知らなかったことを
自然に学べるオフィス

杉山:当社は2004年に、豊田紡織、アラコ、タカニチという内装事業3社が合併した会社です。その後、3社の開発拠点を一つにしようと、2010年に猿投開発センター2号館を建設しました。7Fのフロアは、当初から将来的に活用する計画で未実装としていましたが、ここをクリエイティブエリアにするという構想は早くからありました。以前このフロアは倉庫でしたから、リニューアルしたというよりは、新たに空間を創造したという感じです。また、フリーアドレスの導入に伴って固定電話を廃止しました。

福岡:フリーアドレスと言っても部門ごとに運用の違いはあり、完全フリーアドレスの部門も、グループアドレスを採用しているところもあります。ただ、いずれもメリットは大きく、毎日違う人と顔を合わせながら、今まで知らなかったことを学べるという仕事のやり方が日常になっています。それが当たり前になっているので、効果が高まったことをみんなが忘れているくらいだと思います(笑)。

篠澤:フリーアドレスへの理解を得るよりも、執務エリアの中央に自由に使える広い空間を確保することを理解してもらうほうがたいへんでした。もちろん、個人のスペースがもっと広いほうがいいという人もいました。それにデスクキャビネットを廃して個人ロッカーにし、収納物を半分以下にしましたからね。

福岡:理解活動は、かなり時間をかけて行いました。そのせいもあってか、モノを少なくしながらペーパーレスを推進できましたね。

杉山:今までは大きなボードを使って討議する文化でしたが、モニタを使うようになり、電子化とともにペーパーレスが進んでいます。少しずつ働き方が変化していますね。

ありとあらゆる場所で
交流を行える環境づくり

杉山:会議室が不足していることは全社的な問題でしたから、ありとあらゆる場所で打ち合わせのできる環境づくりができたのは、とても良かったと思います。

篠澤:オープンに打ち合わせのできる、真ん中の共用スペースを大事にすることが、すべてのベースになると考えました。各部門がバラバラに動いていくのではなく、交流から新たなものを創り出すことがテーマでしたからね。

江崎:創造した場所に愛着を持ってもらうために、「ワグネット」などの名前も付けました。多くの人に、楽しみながらアイデアを出してもらいましたね。

福岡:オフィスづくりや運用を考えるプロジェクトを私たちは「自治会」と呼んでいるのですが、これは現在も続いています。オフィスの使い方は、私たちから社員に押し付けるのではなく、「自治会ではこういう意見がありますが、どうですか?」というふうに話しています。

篠澤:運用のルールもどんどんマイナーチェンジを行っていて、会議室の予約システムなども当初からずいぶん改善されました。

緑化された屋上では、昼休みに休憩に訪れる人の姿も見られる。

掘りごたつタイプでリラックスしながら会議もできる、「和室」と呼ばれているコーナー。

窓側には集中席も用意されている。

植物といっしょに生き生きと
みんなで成長していきたい

篠澤:照明にもこだわりました。オープンオフィスですから、間仕切りを立てて空間に抑揚を付けるのではなく、スポットライトとペンダントライトを上手く使って、それぞれの場の雰囲気を変えています。

江崎:私は素材や家具の選定、カラーリングなどを担当し、いろいろな場所に足を運んで選びました。「ラウンジ」では、カーペットの円形の色に合わせて家具を選びコーディネートするのは難しかったです。それと、こだわったのは植物ですね。毎日の水やりまでしていますから仕事は増えましたが、そんな姿を見ていろんな人に声をかけてもらえるので、会話の機会も増えました。光合成で良い空気が流れているようにも感じますし、植物たちといっしょに、私も日々成長している気がします。

福岡:オフィスづくりに参加した一人ひとりが、良いものに対するこだわりと信念を持って妥協せずに取り組んだ姿勢が、こんなにクリエイティブなオフィスとして結実したと感じます。みんなの想いがつながって生まれた場ですから、ここから新しい価値もさらに生まれていくと思います。

WORKER’SVoice

冷静と情熱の間を行ったり来たりしながら
バランスの取れた仕事ができるようになりました。

私はシート開発の仕事をしていますが、以前はこの建物の3Fにいました。今はこのおしゃれな空間でのびのびと働いています。新しいオフィスには大画面モニタがたくさん用意されたので、画像を大きく映し出しながらのプレゼンテーションがしやすくなりました。今までは紙をプリントアウトしてボードに貼ってプレゼンを行っていましたが、そうしたアナログ手法がデジタルに変わり、ペーパーレスが推進されています。「アリーナ」もよく使っていますね。

 フリーアドレスが導入されて、毎日違う席を利用していますが、とても良い刺激になっています。中央のエリアは、お菓子を食べたりしながら休憩する時などに利用します。ここで他部門の設計者と話す機会も増えました。逆に集中エリアではよくアイデア出しを行いますし、冷静と情熱の間という感じでリラックスと集中のバランスを取りながら、仕事にメリハリがつけられていると感じます。他階へ移動するのに内部階段を歩くだけでも気分がいいですし、それによってリフレッシュもできます。上下昇降デスクも時々使いますが、立ち仕事をすることで頭がスッキリしてアイデアが生まれるなど、効果的に利用できていると思います。

デザイン部
第2デザイン室 第21デザイングループ
朝井 佑 さま
bp vol.32掲載(2019.11発行)