bp Interview

三菱地所リアルエステートサービス株式会社 本社オフィス

相互理解をはかり ますます活気あふれる 会社にしたいです!

三菱地所リアルエステートサービス株式会社
コーポレートスタッフ
マーケティング部長
小田 博 さま(右)
経営企画部
次長
若佐 昌彦 さま(左)
5つのワーキンググループで
ボトムアップの取り組みを推進

小田:2017年7月頃から社内に移転を伝達し、本社移転プロジェクト事務局を発足させ、事務局長を拝命しました。そしてワークスタイル、ワークプレイス、ICT情報通信、文書管理、引越・コーポレートという5つのワーキンググループを立ち上げ、それぞれの選抜メンバーによって検討を重ねていきました。

若佐:移転とともにフリーアドレスを導入しましたが、事業グループごとに意見交換を重ね、それぞれのグループで範囲を決めて、その中で自由に席を選べるようにしています。

小田:あくまでも業務効率を高めるためのフリーアドレスですから、それが逆効果にならないように、社員の声をよく聞くというプロセスを大切にしました。

若佐:当社は流通事業、賃貸事業、パーキング事業、鑑定事業を行っていますが、例えば売買仲介の営業を行っている流通事業の部門と、賃貸管理を行っている賃貸事業の部門では在席率も異なり、管理職のマネジメントの課題もさまざまです。それぞれの事業グループに合ったワークスタイルをイメージして、オフィス設計ができるように努めました。

仕事のフェーズによって
働く場所を流動的に選択

小田:フリーアドレスの導入とともに、文書管理ワーキンググループが主導して文書の7割削減を目標に取り組みました。当初、社員の多くは個人のワゴンがなくなることに不安を示していましたが、コーポレートの部門が先行して新たなワークスタイルを実施し、すっきりと整理された姿を提示できたのは良かったと思います。これに続き、全社的にも7割以上削減を達成できました。

若佐:執務エリアにおいては、仕事の内容に合わせて働く場所を選択できるようにしました。仕事のフェーズによっては、集中した作業が必要な時もあります。また、個人による営業ではなく組織による営業をめざしているので、案件ごとにチームを組む人と流動的に関われるように、テーブルの機能が選べるように工夫しました。クロスセルという組織の交流を掲げ、それが実行できる場であるようにと考えたのです。

小田:3つのラウンジを創造したのは良かったですね。以前のオフィスのラウンジは、奥まった場所にある暗い空間でした。新たなラウンジ、特に「REAL CAFE」では事業グループや若手年配に関係なく、無料のコーヒーを飲みながら雑談したり、仕事をすることもできます。

「REAL CAFE」は、組織横断的な交流の場であるとともに、顧客との交流も生まれる「リアルな現場」でもある。

来客会議室。会議室予約システムを導入し、終了時間お知らせ音を採用している。

セミナールームは3室用意され、可動式パーティションを取り払った大空間としても使用できる。

会社の成長を対外的に
アピールする場としても機能

小田:執務エリアの各所に設けたサイネージでは、各事業グループのお知らせなども発信しているので、相互理解に役立っていると感じます。映像だとパッと見てもらえるんですよね。もちろんワンフロアに集約した「見える化」による相互理解の効果も大きいです。他の事業グループのこともよく分かりますし、誤解が減りましたね。

若佐:すれ違った時、お互いに声をかけ合う機会も増えました。当社は働き方改革のロードマップを作成しており、移転して終わりではなく、今後もPDCAサイクルを回していくことが大切です。移転を機に構築したモバイル環境を活用し、テレワークの導入も検討していきます。

小田:ワンフロアオフィスにするというチャンスを働き方改革につなげて、まずは良いスタートが切れたと感じます。移転プロジェクトのワーキンググループは、働き方改革推進室、新技術活用推進室、ファシリティマネージメント室という3つの組織に引き継がれ、さらなる改革を進めているところです。新しいオフィスは、見学に訪れた人に対して、会社の成長をアピールできる場にもなっています。

若佐:社員参加型の移転プロジェクトであったことは、三菱地所グループの中での自立という面からも、その意味合いは大きいと思います。移転後に行ったアンケートによるオフィスの満足度調査では、以前よりコミュニケーションが取りやすくなったという声が多く、移転後の6月に行った調査よりも、その後11月に行った方が満足度は高くなっています。今後はさらにITやAIを使って生産性を向上させ、企業価値を高めて、ステークホルダーの期待に応えていきたいと思います。

WORKER’SVoice

フレックスタイム制の導入など、働き方の変化によって
社員の考え方も良い方向に変わってきています。

私は本社移転プロジェクト事務局のメンバーで、ワークスタイル、ワークプレイスという2つのワーキンググループに参加しました。ワークプレイスの検討では、オフィス家具各社のショールームを訪れてデスクやチェアの使い勝手を確認するなど、きめ細かな検証を実施。「REAL CAFE」の内装も、みんなで話し合いながら決めたものです。コーヒーメーカーも試飲で味を確かめ、デザインのインパクトも含めて導入しました。

 ワークスタイルについても議論を重ね、ボトムアップから経営層に意見を提出。大きな変革はフレックスタイム制の導入で、育児や介護という用途に限らず働く時間を選択できるようになり、とても働きやすい環境になったと感じます。

 従来のオフィスは固定席でしたが、移転前の社員アンケートでは、移転後も固定席がいいと言う人とグループアドレス派の割合が拮抗していました。それが移転後はグループアドレスを導入して毎日席を変える習慣ができていますから、「たとえグループアドレスを導入しても、席が固定化してしまうのでは?」といった懸念も、今では固定観念だったと感じます。働く場所と時間の自由度が高まり、社員の考え方も変わってきたのではないでしょうか。

賃貸事業グループ
リーシングマネジメント部
一課長
萩原 美穂 さま
bp vol.30掲載(2019.04発行)