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Workplace_Case 04
よろこびとともに人と人を「つなぐ」オフィス
キリンホールディングス株式会社
グループ本社オフィス
「よろこびがつなぐ世界へ」をコーポレートスローガンとするキリングループ。キリンホールディングス株式会社は、キリンビール、キリンビバレッジを中核とした国内グループ会社の本社機能を集約しているグループ本社オフィスの大規模なリニューアルを行った。コロナ禍を機に、2020年7月から新たな経営環境による新しい働き方改革として「 『働きがい』 改革 KIRIN Work Style 3.0」 を推進。生産性と創造性の向上、そして個の充実を通した働きがい向上のために、多方面から働き方の見直しを実施した。

さらに働く場である「オフィスとは?」を再定義し、共創、チームビルディング、価値観の共有を行う場であることを明確化。これを実現するオフィスづくりとともに、多様な働き方に対応したオフィス面積の適正化を図る「ライトサイジング」を行った。そしてこれまでの「集まって働く箱」から「来たくなるオフィス」へと変化させ、まさによろこびを「つなぐ」場へと進化させたのである。
photo:Nacása & Partners(リニューアル前の写真を除く)
Data
所在地
東京都中野区中野4-10-2
オフィス対象面積
約21,000m²
オフィス対象人員
約3,680名
インテリア竣工
2022年6月
オフィス設計・デザイン
オカムラ
(佐々木 基、品川 愛希子、
藤原 有希、伊藤 平)
Project Interview
Project Interview
今までのオフィスの概念を取り払って「再定義」し
会社に来てワクワクできる空間を創りました
異なるテーマを設けた各フロアの共創空間
各フロアの中央にある中階段まわりに共創空間「STAGE」をレイアウト。21Fは「ライブラリー」、20Fは「ラウンジ」、19Fは「ラボ」と、それぞれにテーマが設けられている。
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20Fの共創空間のテーマは「ラウンジ」
20Fの中階段まわりに設けられた共創空間のテーマは「ラウンジ」。カフェのような雰囲気のあるカジュアルなコミュニケーション空間であり、従業員同士がリフレッシュしながら交流できる。
従業員が一体感を持ちながら働き
コミュニケーションを取るフィールドです
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原則フリーアドレスを導入した開放的な空間
コロナ禍でもできるだけ密にならない執務空間を創造。オープンからクローズドまでの空間を自由に活用して仕事を行える。なお、リアルタイム在席情報はスマホでも確認できる。
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リニューアル前のオフィスは固定席がメイン
リニューアル前は島型対向式のデスクレイアウトで固定席が中心。お互いの距離が十分に確保できないことも問題であった。
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ワークブースやファミレスタイプの席などを選択
グリーンを多く取り入れた各フロアには、フルクローズ型ワークブース「テレキューブbyオカムラ」や、ファミレスタイプの席などが設けられ、仕事の目的や内容によって快適に使い分けられている。
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原則フリーアドレスを導入した開放的な空間
コロナ禍でもできるだけ密にならない執務空間を創造。オープンからクローズドまでの空間を自由に活用して仕事を行える。なお、リアルタイム在席情報はスマホでも確認できる。
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リニューアル前のオフィスは固定席がメイン
リニューアル前は島型対向式のデスクレイアウトで固定席が中心。お互いの距離が十分に確保できないことも問題であった。
New Work Style
New Work Style
19Fの共創空間「ラボ」は交流と創造の場
19Fの共創空間のテーマは「ラボ」。大人数で集まる社内セミナーや、さまざまなミーティングに対応する可動式モニタなどが用意され、まさに「STADIUM」感のある場となっている。
21Fの共創空間「ライブラリー」には情報が集積
21Fの共創空間のテーマは「ライブラリー」。グループ会社の幅広い事業内容に応える書籍や雑誌があり、各部門の推薦図書が展示されるなど、従業員同士の情報交換の場にもなっている。
「ライブラリー」の入口に設けた展示コーナー
「ライブラリー」の入口にはキリングループの歴史の展示コーナーを設置。地層をイメージした壁面にはコーヒー豆を挽いた後の滓を練り込み、飲料とのつながりを表しながら環境配慮も行っている。
フロアによってテーマカラーが異なる「GATE」
従業員用入口である「GATE」は、気持ちを切り替えることのできる空間。フロアによって異なるテーマカラーで彩られている。19Fはイエロー。
キリングループのスローガンが施された「GATE」
21Fのテーマカラーはブルー。会社への帰属意識を自然に楽しく高められるように「Joy brings us together(よろこびがつなぐ世界へ)」というメッセージも施されている。
健康に配慮した上下昇降デスクを数多く導入
自由にデスクの高さを調節できる上下昇降デスクを各フロアに導入。立ち姿勢を取り入れながら、腰への負担も軽減できる。
リモートワークにも適した集中できるWebブース
Web会議や電話などに便利なセミクローズドのブース席を設置。さらに集中度の高い作業に適した「サイレントエリア」も用意されている。
20Fからの眺望が心を和ませる「ラウンジ」
20Fの「ラウンジ」はランチタイムにもよく利用され、気分転換できる場となっている。
グラフィックデザインも工夫された社内会議室
20Fのテーマカラーであるグリーンは、社内会議室のガラスパネルのグラフィックデザインにも施されている。
みんながワクワクするような
「思いや熱意がつながるSTADIUM」
「思いや熱意がつながるSTADIUM」。それが、新しいオフィスのリニューアルコンセプトだ。従業員が思いや熱意を共有し、「つながり」を感じながら共に新たな価値を創造していく。互いの才能を認め、時にはぶつかり合いながら最高のパフォーマンスを発揮する。お客様も巻き込んで一体となり、ここでしか経験できないプレミアムな体験を通して、「働きがい」が向上していく。そんな、まさにキリングループらしい思いと熱意のあるワクワクするようなコンセプトだ。リニューアルの具体的なポイントは、リアル接点拡大、グループアドレス化、リモートワーク対応、デジタルオフィス化、ペーパーレス推進、フロア集約、役員エリアの見直しの7つだった。6つめのポイントであるフロア集約に関しては、今まで同じ建物の2Fと17〜21Fに入居していたオフィスを18〜21Fの4フロアに集約し、2Fの受付機能や社外との打ち合わせ機能は18Fにまとめた。在籍者の最大50%が同時に出社しても執務のできるオフィスになっている。

リニューアルポイントの1つめであるリアル接点拡大のために、そのシンボルとなる中階段まわりの共創エリアは広い面積を確保するとともに、フロアによって異なる機能を持たせた。21Fは情報共有・収集を行える「ライブラリー」。書籍や雑誌などから最新情報を得られ、新たな価値を創造するための多様な情報に触れることができる。20Fはカジュアルコミュニケーションの場となる「ラウンジ」。カフェのようなエリアでリフレッシュしながら、部門の垣根を越えて交流を図ることができる。19Fは交流とともに創造性を高める「ラボ」。オープンなミーティングからワークショップ、プレゼンテーションまで、目的に合わせて柔軟に環境を選べる。そして18Fは「ゲストラウンジ」とし、社内外での共創に活用できるワークショップスペースや、ウェビナーや広報活動などに活用する「キリンスタジオ」などを新設した。すべてのフロアに、目的があり、アイデアがあるのだ。
いつどこにいても働きやすい環境を構築
オンラインのシステムを活用できるデジタルワークプレイスの充実はもちろん、出社した時のコミュニケーションの取りやすさや、業務に合わせた働く場の選びやすさを大切にしている。
チームビルディングの場として機能する
オープンな「ロッカールーム」
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フロアでテーマカラーが異なる「ロッカールーム」
仲間とのリアルな接点・つながりを生むオープンなチームビルディングの場は「ロッカールーム」と呼ばれている。フロアのテーマカラーが施され、20Fはグリーン。
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緩やかな曲線が象徴的なメイン動線「TRACK」
19Fの「ロッカールーム」には、フロアのテーマカラーであるイエローを使用。各フロアには「TRACK」をテーマとし、フロアを一周するような回遊動線を設け、偶発的なコミュニケーションを促している。
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フロアでテーマカラーが異なる「ロッカールーム」
仲間とのリアルな接点・つながりを生むオープンなチームビルディングの場は「ロッカールーム」と呼ばれている。フロアのテーマカラーが施され、20Fはグリーン。
New Work Style
New Work Style
曲面の美しいフォルムを活かした18F受付
緩やかな曲面を中心に「つながり」を表現した18Fの自動受付。キリンのロゴマークが大きくあしらわれている。
リアルタイムで情報提供する展示スペース
18Fには展示スペースも設けられ、大画面モニタで情報提供を行うとともに、新商品などが展示されている。
小上がりの空間となっているゲストラウンジ
18Fのゲストラウンジは、床や天井の照明にも工夫を施した、洗練された空間となっている。
ゆったりとした雰囲気の商談スペース
18Fの商談スペース。100%ペットボトルリサイクル&100%スチールを使った家具なども採用し、環境を保全するサステナビリティに配慮している。
カーテンが開閉できるワークショップスペース
社内外での共創活動を行う18Fのワークショップスペースは、カーテンで仕切ることもでき、内容に合わせて柔軟に空間を生み出すことができる。
ワークショップスペースでは100インチ大画面で情報を共有
ワークショップスペースは、社外との意見交換会やセミナーなどに活用されているほか、普段は従業員のミーティングや執務にも使われている。
記者発表やウェビナーなどを行う「キリンスタジオ」
18Fの「キリンスタジオ」には配信設備などが整い、メディア向けの新商品発表や、従業員向けのウェビナーなどが行われている。
シナジー創出を加速するオフィスをリニューアル
2013年にグループ本社オフィスを中野区に移転し、国内グループ会社の本社組織を拠点集約し、グループのシナジー創出を加速。そんなオフィスのさらなる大規模なリニューアルを行った。
思いや熱意やイノベーションが
未来へと「つながる」世界へ
コンセプトである「STADIUM」を実現するために、新たなオフィスでは4つのアイデアを形にした。サッカースタジアムの一体感のある様子を想像すると分かりやすい。1つめは従業員用入口である「GATE」。気持ちを切り替えるスイッチになるとともに、キリンらしさを感じる場でもある。2つめは執務エリアである「FIELD」。互いの存在を感じるオープンな場であり、思いや熱意を共有できる。3つめは共創エリアである「STAGE」。フロアの中央にある内階段まわりに設けられた部門を越えた交流の場であり、目的に合わせて選択しイノベーションの創発につなげることができる。そして4つめはメインの回遊動線となる「TRACK」。あえて曲線にすることで、人が行き交いながら出会いを生み出す。こうした要素によって、唯一無二の「STADIUM」がオフィスとして形成されている。さらに今までの固定席を中心にした島型対向式のデスクレイアウトを、原則フリーアドレスに変更。仕事の目的に合わせて適切なフロアやエリアを柔軟に使い分けられる、いつどこにいても働きやすい環境が実現した。それは、それぞれの会社や組織を越えたコミュニケーションを促し、人と人とを「つなぐ」環境でもある。

他にもキリングループらしさが随所に感じられるオフィスになった。「ロッカールーム」と呼ばれる「FIELD」内のオープンスペースは、ユニット単位でカジュアルな会議を行いながらチームビルディングにつなげる特徴的な空間。在宅勤務によって増加したWeb会議に対応するワークブース「テレキューブbyオカムラ」も各フロアに複数用意された。さらに個人がさまざまな用途に合わせて使えるセミクローズ型のワークブースも用意。Web会議に適したタイプ、集中作業に適したタイプがあり、快適に利用できると好評である。

今後は、目指しているイノベーションの創発や、さらなるグループ間シナジーの創出に向けて、このオフィスをどのように運用していくかが重要になるという。この場が未来へとどう「つながる」のか、ワクワクする気持ちにあふれてくる。
Worker's Voice
Worker's Voice
エリアごとに世界観があるので
気持ちを切り替えながら仕事ができる環境です
Products Used in This Case
この事例に導入されている製品
Lives Meeting Table
ライブスミーティングテーブル
どんな場所でも、フレキシブルに
Swift
スイフト
立ち姿勢を取り入れる。ワークスタイルが変わる。
drape
ドレープ
吸音パネルがワーカーを包み込むミニマムサイズのワークブース
Pirouetto
ピルエット
「座る」と「立つ」のいいとこ取り はたらく姿勢の新提案
Marca Table
マルカテーブル
ミーティングシーンに上質感とおもてなしを。
Marca Chair
マルカ チェア
ミーティングシーンに上質感とおもてなしを。
Solutions
ソリューション