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Workplace_Case 03
明日を変える「ハイブリッド・ワークスタイル」を実現
アステラス製薬株式会社 本社オフィス
医療の大切さと、それを支える企業の役割に改めて注目が集まっている時代。製薬企業を取り巻く事業環境は、著しいスピードで変化を続けている。「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」を経営理念としているアステラス製薬株式会社は、そうした変化への適応を常に模索してきた。そして、働く場であるオフィスに求められる機能や役割も変化していくという意識を持っている。現在の本社オフィスには2013年に移転し、その後も文書の電子化の推進やキャビネットの削減、フリーアドレスの導入など、継続的にオフィスに変化をもたらす取り組みを行ってきた。

コロナ禍では、オフィスに来ることが当たり前ではないという大きな社会的変化が生じ、自宅を含むオフィス以外の場所でも業務が可能な環境となった。では、社員がオフィスに来る意味は何か? そのオフィスに必要な機能とは何なのか? 2021年、アステラス製薬はこれまでの働き方をさらに見直し、本社オフィスの大規模なリニューアルを行った。
photo:Nacása & Partners
Data
所在地
東京都中央区日本橋本町2-5-1
オフィス対象面積
約9,500m²
オフィス座席数
1,187席
インテリア竣工
2021年10月
オフィス設計・デザイン
オカムラ(今井 沙耶、酒井 彩乃、片岡 さくら)
Project Interview
Project Interview
オフィスワークと在宅勤務の
最適なバランスが実現できる場にもなっています
異なるテーマを設けたフリーフロア
3つのフリーフロアには、7Fは「Agile(アジャイル)」、10Fは「Cafe(カフェ)」、13Fは「Well-being(ウェルビーイング)」と、それぞれにテーマが設けられている。 ※映像は、13F「Well-being」のフロア。
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13Fフリーフロアのテーマは「Well-being」
13Fフリーフロアは「Well-being」がテーマ。シンボルツリーがあり、オフィス家具の張地やカーペットの色には緑や茶系などを採用し、視覚的にも健康とリラックスを意識している。
心身ともに健康を意識した空間で
ゆったりと執務を行うことができます
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オフィスの空間と働き方をリニューアル
2013年に本社を移転した「日本橋アステラス三井ビルディング」。この執務環境の大規模なリニューアルを行った。
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健康に配慮した上下昇降デスクを採用
社員の健康に配慮した上下昇降デスクを各所に設け、立ったままの姿勢で使うなど、フレキシブルに利用されている。
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植栽を施したビッグテーブル
13Fの中央にはビッグテーブルがあり、緑に癒される環境で執務を行うことができる。
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オフィスの空間と働き方をリニューアル
2013年に本社を移転した「日本橋アステラス三井ビルディング」。この執務環境の大規模なリニューアルを行った。
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健康に配慮した上下昇降デスクを採用
社員の健康に配慮した上下昇降デスクを各所に設け、立ったままの姿勢で使うなど、フレキシブルに利用されている。
New Work Style
New Work Style
場を創ってパフォーマンスを高める「アジャイル席」
7F「Agile」のフロアには、コンセプトを体現する「アジャイル席」を用意。打ち合わせ内容やチームの性格に合わせて、自由に空間を「創る」ことのできる可動式の家具やホワイトボードなどを活用し、チームのパフォーマンスを高めながら最適解を速く生み出せる。
コミュニケーションを促す3つのフリーフロア
全フロアのうち3つの階は、フロア間のコミュニケーションを促すフリーフロア。入口にはロゴマークなどのブランドデザインを施し、会社へのエンゲージメントを高めている。
多目的に活用できる円形のセミナーエリア
7Fのセミナーエリアは、セミナーや社内研修、イベントなどに活用されるスペース。個人の執務スペースとしても自由に使われている。動かしやすい家具によって、フレキシブルにレイアウトを変えることができる。
クローズドの空間にもできるセミナーエリア
セミナーエリアは、活用シーンに合わせてカーテンの閉め具合を調節し、緩やかなクローズドの空間として利用することもできる。
気軽に交流できる7Fカフェエリア
カジュアルな雰囲気のある7Fのカフェエリア。偶発的なコミュニケーションもよく見られる。
集中作業に適した人気のある7F窓側エリア
外の景色を望みながら、集中して作業を行うことができる。各席にモニタが備えられ、天板ワイドが広めなので作業がしやすい。
大画面モニタなどが活用できる会議室
収容人数などに応じて使い分けられる、7Fの会議室。大画面モニタやホワイトボードなどが会議をサポートしている。
フリーフロアと一般フロアを
自由に行き来しながら仕事を楽しむ
本社オフィスのリニューアルでは、新たな視点からの意見を集めるために、若手社員を募って自由に議論・提案を行う場を設けるなど、どんなオフィスにすべきかの検討を重ねた。そうした中で「デジタルテクノロジーを活かし、効率的な働き方のできるABW(Activity Based Working)の場」「在宅では成し得ない仲間同士のつながりを促し、一体感が得られる場」「アステラス製薬への帰属意識が高まり、また行きたくなるような場」「イノベーションやコラボレーションを生む仕掛けのある場」などの提案がなされた。また、リアルな対面での交流が非常に大切であるとの方向性が示され、コミュニケーションを誘発するためのオフィスづくりへと向かった。本社オフィス全体を社員がダイナミックに動き回れるよう、これまではフロア単位でのフリーアドレスだったルールを、全館フリーアドレスに拡充。社員が自分自身で働く場を選択できるように、画一的ではなく、フロアごとにオフィスデザインを変えたり、さまざまな種類のオフィス家具を導入したりした。

新しい本社オフィスには、各部門が入居している一般フロア(8・9・11・12・14・15・16F)と、特徴的な共用フロアであるフリーフロア(7・10・13F)がある。このフリーフロアは、一般フロアと自由に往来ができ、部門の垣根を越えたリアルコミュニケーションを特に重視している。それぞれのフロアには、異なるテーマを設けた。7Fは「Agile(アジャイル)」。働く場を「選ぶ」というよりは「創る」空間であり、可動性のあるオフィス家具を自由に動かして働きやすい場を創ることができる。10Fは「Cafe(カフェ)」。カフェエリアには本格的なコーヒーメーカーがあり、よい香りとともに、自然に人と情報が集まる空間になっている。そして13Fは「Well-being(ウェルビーイング)」。心身ともに健康を意識した空間であり、より一層ゆったりとした姿勢で落ち着いて執務を行うことができる。
その時々で社員自らが「創る」オフィス
7F「Agile」のフリーフロアには、社員自らが考えて働く場を創りながら、イノベーションやコラボレーションを生む仕掛けが数多く用意されている。
オフィスと外部との
WEB会議の機会が増え
よりフレキシブルなワークスタイルへ
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フリーフロアに並ぶ「テレキューブ by オカムラ」と会議室
各フリーフロアには、多くの会議室と「テレキューブbyオカムラ」が並ぶコーナーを用意。リアルで打ち合わせのできる場と、オンラインで打ち合わせのできる場が共存し、目的に合わせて使い分けられている。
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トータル100ヵ所以上に設けられたワークブース
フリーフロアにも一般フロアにも、全部で100台以上導入されたフルクローズ型ワークブース「テレキューブ by オカムラ」。WEB会議や小単位での組織内コミュニケーション、集中した作業など、多目的に利用されている。
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フリーフロアに並ぶ「テレキューブ by オカムラ」と会議室
各フリーフロアには、多くの会議室と「テレキューブbyオカムラ」が並ぶコーナーを用意。リアルで打ち合わせのできる場と、オンラインで打ち合わせのできる場が共存し、目的に合わせて使い分けられている。
New Work Style
New Work Style
10Fフリーフロアのテーマは「Cafe」
10Fフリーフロアは「Cafe」がテーマ。本格的なコーヒーメーカーが導入されて良い香りが漂い、社員が自然に集まり、雑談にも花が咲くフロアになっている。
ブランディングも施されたフリーフロア
10F「Cafe」のフロアでは、床のカーペットや家具の一部にコーポレートカラーである赤を取り入れ、会社へのエンゲージメントを高めている。
13F「Well-being」フロアのソファエリア
健康経営を促進する13Fには、リラックスした姿勢で執務のできるオフィス家具を多く採用。ソファエリアでは、寛ぎながらコミュニケーションを図るシーンも見られる。
眺めのよい窓側に設けられた集中席
13Fの窓側に並んだ個人の集中席。座った瞬間に作業姿勢にフィットするチェアが並び、ストレスなく思いのままの姿勢で、快適で集中した作業を行える。
一般フロアはデスクを縦横交互にレイアウト
8Fの一般フロア。縦横交互のデスクレイアウトによって、自然なコミュニケーションを促している。また一般フロアでも、一部を除き原則的にフリーアドレスを導入している。
一般フロアにも数多く設けられたワークブース
防音性に優れた人気のスペース「テレキューブ by オカムラ」。換気機能が付いているので、コロナ禍でも安心して利用できる。
リラックスできる窓側ミーティングエリア
8Fの窓側ミーティングエリア。ソファも設置され、リラックスした雰囲気で執務やミーティングを行える。
一般フロアにも採用された上下昇降デスク
8F一般フロアの窓側に設けられた上下昇降デスク。「座り過ぎ」を防ぎ、健康維持とパフォーマンス向上を図ることができる。
集中できるソロワークブースやミーティングスペース
一般フロアには、雰囲気や気分を切り替えて作業や思考に集中できるスペースも用意され、吸音性能の高いソロワークブースでは音や視線を気にせずに働ける。
リアルとデジタルを連携させて
オフィスワークとテレワークの双方をつなぐ
一般フロアはデスクを縦横交互にレイアウトし、フロア内の回遊性を高め、動き回る社員の間で偶発的なコミュニケーションが生まれることを期待した。また、基本的に既存のオフィス家具を流用しているが、執務用チェアの背と座面の張地のみを別の色に変更してフレームを活かすなど、省資源によって環境保護に配慮しながらフロアイメージの刷新を図った。

新しいオフィスのデザインコンセプトは「astellas universe(アステラス・ユニバース)」。太陽のように自社の強みを輝かせ、星のように相互に連携するという想いが込められている。ここにあるのはリアルとデジタルの連携、オフィスと在宅などテレワークの働き方の連携、そして社内外の連携を加速させる「ハイブリッド・ワークスタイル」だ。それを具現化した一つが、フルクローズ型ワークブース「テレキューブ by オカムラ」。本社オフィス内にトータルで100ヵ所以上も設け、withコロナにおける働き方をサポートした。出社している社員と、取引先やテレワークしている社員とのWEB会議に使われるケースが格段に増え、人気のスペースになっている。取材時(2022年5月)における出社率はおよそ30%弱と、継続して在宅勤務を推奨しているため、オフィスと外部がつながる新たな場を確保した意味合いは大きい。 出社した社員は、今日は10F、次週は8Fなど、仕事の内容に合わせてフロアを渡り歩きながら楽しんでいる様子が感じられるようだ。また、出社日と在宅ワークの日で、自分の業務をきちんと整理して段取りを組むなど、個々の仕事に対する意識も変わってきているという。社員が一丸となってそのあり方を考え、創造したオフィスが、これからあるべき明日の働き方を照らし出している。明日はきっと、変えられるのだ。
Worker's Voice
Worker's Voice
小さな雑談がイノベーションにつながるような
「多くのきっかけ」のある場に変化しました
Products Used in This Case
この事例に導入されている製品
SPRINT
スプリント
チームにもっとアジャイルを
Bresta
ブレスタ
オフィスを自由自在にレイアウト
Lives Work Chair
ライブスワークチェア
カジュアルだけど、機能的
Lives Meeting Table
ライブスミーティングテーブル
どんな場所でも、フレキシブルに
NAGARE
ナガレ

オフィスに安らぎの空間を
自然の「流れ」を意識したソファシリーズ

Lives Personal Chair
ライブスパーソナルチェア
リラックスしながら、しっかり集中
ESCUDE
エスクード
基本性能を向上させた、ワンランク上のスタンダードモデル
TELECUBE by OKAMURA
テレキューブbyオカムラ
最高の集中環境をもたらすフルクローズ型のワークブース
drape
ドレープ
吸音パネルがワーカーを包み込むミニマムサイズのワークブース
Swift
スイフト
立ち姿勢を取り入れる。ワークスタイルが変わる。
Solutions
ソリューション