座っていても、立っていても。
作業に合わせて天板の高さを
変えると、より快適に。
電動昇降デスクのあるオフィスに勤務するワーカーに、利用の実態や効果を調査したところ、
立ち姿勢はもちろん、座り姿勢の時にも体格や作業内容、気分に合わせて天板の高さを調整することで、
より快適にはたらけていることが明らかになりました。
また、座り姿勢に時々立ち姿勢を取り入れるスタイルが、
座り過ぎによる健康リスクの低減や仕事効率に好影響を与えることも
長年の研究・調査によってわかっています。
一人ひとりが活き活きとはたらくために、
天板の高さを調整することの必要性と、電動昇降デスクを導入するメリットをご紹介します。
電動昇降デスク利用者の多くが
作業に合わせて天板の高さを変えています
立ち姿勢をとっていますか?
とっていない38%
座り姿勢で作業内容に合わせて
天板の高さを変えていますか?
変えていない14%
作業に適した天板の高さは人それぞれ
立ち・座り姿勢の両方で天板の高さを
変えている人のほぼ全員が効果を感じています
快適性
やや感じる00%
■全く感じない1%
健康面
やや感じる00%
■全く感じない7%
生産性
やや感じる00%
■全く感じない4%
高さ調整の大切さ
電動昇降デスクは、座り姿勢の時にも一人ひとりの体格に合わせてミリ単位で
自由に高さを変えられることが大きなメリットです。
高さが合わないデスクを使い続けることは、
サイズ違いの靴を履き続けることと同じくらい負担になります。
ワーカーの体格や作業内容によって、細かく高さを調整することで、
より快適に働くことができます。
一人ひとりの体格に合わせた高さに
一般的に事務用デスクはH720mm、ハイテーブルはH1000mmですが、利用者の体格によって丁度いい天板の高さは異なります。高さが合わないデスクやテーブルを長時間使用し続けると、肩や首回りなどに疲労がたまりやすく、体の不調や効率の低下につながります。健康的に働く為には、ひとり一人の体格に合わせて天板の高さを調整し、体と家具のギャップを少なくすることが大切です。
車いすユーザーの環境整備に
車いすのサイズによっては肘がデスクの天板に当たってしまい十分にデスクに近づくことが出来ません。前のめりになるなど不自然な姿勢でデスクとの距離を埋めることになり、身体に負担がかかります。車いすユーザーの方でも活き活きと働くための環境整備に電動昇降デスクは役立ちます。
作業内容に合わせた高さに
筆記、インプット作業、ミーティング、電話、資料チェックなどオフィスで行われる作業はさまざま。また利用しているICT機器や椅子なども多様です。電動昇降デスクなら、その時々の環境や好みに合わせて、作業しやすく身体に負担がかからないよう姿勢を保つことが出来ます。
「座り過ぎ」の健康リスク
「座り過ぎ」が健康リスクを高めることは、欧米諸国ではさまざまな研究データから広く知られています。
WHOでも2020年11月発行の「身体活動・座位行動ライン」で座り過ぎに警鐘をならしています。
この考え方が日本にも広がり、厚生労働省とスポーツ庁が健康増進対策の一例として、
職場での「座りすぎ防止」を挙げています。
海外で注目「座り過ぎ」による
死亡リスクは1.4倍
座位行動と健康リスクの正の関連を認めた研究件数※1
- 座り過ぎることで健康リスクが高まるという研究結果が世界で報告され、「sedentary death syndrome」「Sitting is the New Smoking!」等の言葉も生まれるなど注目が高まっています。
1996年から2011年に報告された座位行動と健康リスクに関する前向き研究のシステマティックレビューによると、座位時間と正の相関を示す健康リスクとしては、肥満、体重増加、糖尿病、がん、冠動脈疾患があり、座位行動がさまざまな健康リスクに関連していることは研究者の間では間違いないものと考えられています。
1日の座位時間と死亡リスク※2
- 座り過ぎ死亡リスクに関する代表的な研究としては、オーストラリアで45歳以上の約22万人を対象に3年間追跡した調査があり、1日の座位時間が4時間未満の人に比べて8時間以上の人は1.15倍、11時間以上の人は1.4倍も総死亡リスクが高まる結果が得られています。他にも、1時間の座位(テレビを見る)によって22分間平均余命が短くなる)という研究や、自動車移動に伴う座位時間が週4時間未満の人に比べて週10時間以上の人は冠動脈疾患死亡率が1.8倍)という研究もあります。
- ※1 Thorp AA, et al. Sedentary behaviors and subsequent health outcomes in adluts a systematic reviewof longitudinal studies,1996-2011. Am J Prev Med. Aug 2011;41(2):207-215. より作成
- ※2 Van der Ploeg HP,Chey T,Korda RJ, et al.Sitting time and all-cause mortality risk in 222,497 Austrarian adults. Arch Intern Med 2012;172:494-500.より作成
日本のオフィスの環境問題
日本人は世界で一番座っている民族で、オフィスワーカーの7割は1日を座りっぱなしで過ごしています。
一方、オフィスワーカーの2割は時々立って働くスタイルを実践中で継続意向も高いです。
日本人は座り過ぎ!?
世界一長い日本人の座位時間
- 世界20カ国における平日の座っている時間を調べた研究によると、20カ国平均で300分(5時間)となっています。驚くことに日本は平均を120分上回る420分(7時間)で、サウジアラビアと並び、最も長く座っている民族となりました。
男女別に見ると、日本人女性は480分で単独一位、日本人男性は420分でサウジアラビアと並び、1位タイ。日本人の長時間労働スタイルが、座り時間を長くしている一因であることは容易に想像できます。 -
世界20カ国における平均の座位時間※3
00minutes
- ※3 Bauman AE, Ainsworth B.,Sallis j, et al.The descriptive epidemiology of sitting: A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ).Am J Prev Med 2011; 41: 228-235.より作成
日本のオフィスワーカーの
7割は座りっぱなし
- 全国の20~60代のオフィスワーカー1200人を対象に実施した実態調査によると、オフィスワーカーの約7割(68.9%)がデスクワークを「いつも座って行っている」。一方、立位でデスクワークを「頻繁に行っている」、「ときどき行っている」と回答した人を合わせた約2割(19.7%)が「座り時々立ち」仕事を現在実践しています。
また、これからも立って働きたいと思いますか?という問いに対して、「強くそう思う」「そう思う」と回答した人を合わせると約7割(68.8%)にも達し、実践者の高い継続意向が伺えます。座り時々立ち仕事を実践中のオフィスワーカーに立つことのメリットを聞いたところ、上位の回答は「効率性」「健康」「機動性」の順でした。 立って働くことのメリットはなんですか?※4
n=237
立ってデスクワークを行うことがありますか?※4
あなたはこれからも立って働きたいと思いますか?※4
座り過ぎを防ぐためには
座り過ぎを防ぐためにはどのような戦略を持つべきか、
どのようなメッセージが効果的か、
立つとしたらどのくらいの時間立つ必要があるのでしょうか。
これらの疑問に対する答えは「まず立つ」こと、できれば「1日2時間」。
運動よりもまず立つこと/
推奨は1日2時間、理想は1日4時間
人間の活動姿勢(4態)と座位の解消アプローチ
- ※6 運動基準・運動指針の改訂に関する検討会 報告会/厚生労働省/2013年をもとに作成
- 座り過ぎを防ぐための策としてまず思いつくのが「歩こう、運動しよう」ということ。しかし、座っている人にいきなり「歩こう」「運動しよう」と言っても実際の行動はあまり期待できないのが現実です。また、座り過ぎの発生現場ともいえるオフィスではそもそも困難です。重要なのは、まずは「座る」から次の姿勢の「立つ」に移り、座位時間を減らすこと。「立つ」ことで次の「歩く」「動く」にも移りやすいという効果もあります。座り過ぎの健康リスクに関する研究者らで構成される海外の有識者パネルは、オフィスでの仕事中に1日合計で2時間(理想は合計4時間)立つという具体的な目安時間を示し、それを実現するためのアイテムとして、座位でも立位でも使えるデスクの利用を推奨する声明※5を出しています。立ち姿勢の消費カロリーは2時間でおにぎり2個分(約340kcal)に相当します。まずは立ったり座ったりを繰り返し1日1~2時間の立ち時間をめざすことが座り過ぎを防ぐ現実的な第一歩といえそうです。
- ※5 John PB,Alan H,Thomas Y, et al.The sedentary office:a growing case for change towards better health and productivity.Expert statement commissioned by Public Health England and the Active Working Community Interest Company.
- ※6 運動基準・運動指針の改訂に関する検討会 報告会/厚生労働省/2013年をもとに作成
「座り時々立ち仕事」による
国内実証試験
オカムラでは、研究機関および研究者のご協力のもと、電動昇降デスクで仕事を行う際に
姿勢が体に与える影響を検証する実験と、オフィスワーカーに与える効果を探る実証試験を実施しました。
これらの検証から、「立ち仕事×座り仕事」を組み合わせることが、健康状態や仕事中の集中力や
コミュニケーションなどにさまざまなプラスの効果を生むことが明らかになりました。
実証試験結果 座り時々立ち仕事は
眠気、むくみ、疲労を抑制する
- 効率立ち仕事を加えると、
疲れにくい パソコン作業中に立ったり座ったりを定期的に繰り返した実験参加者は、座りや立ちの姿勢を続けた人に比べて疲労感が低いという数値が出ています。姿勢を変えることで身体への負担が分散され、疲れにくくなることがわかります。
- 健康足のむくみを抑える効果も
作業の前後でふくらはぎの周囲を測ったところ、「立ち姿勢だけ」「座り姿勢だけ」の人と比較して、その両方を定期的に繰り返した実験参加者は周囲の増加量がもっとも少なかったという結果が出ました。姿勢を変えることは、むくみにも有効だと言えそうです。
- 効率ポジションチェンジで、
眠気が抑えられる 集中力を妨げる眠気は、仕事効率にとっての大敵。実験の結果、「座り姿勢」を続けると、「立ち/座り」を繰り返した場合や「立ち姿勢」を続けた場合よりも、眠気の度合いが高いことがわかりました。仕事の効率向上には姿勢を変えることが大切だと考えられます。
- 健康腰の痛みの自覚症状が軽減
2時間「座り仕事」を続けるよりも、1時間ごとに10分から40分の「立ち仕事」を加えた方が、「腰の痛み(違和感)」に対する自覚症状が軽減するという結果が出ました。背中や腰の調子を整えるためにも日頃から立ち姿勢を取り入れることが大切です。
- 健康夜、よく眠れるようになる
座り仕事を続けた期間に比べ、立ち姿勢を取り入れた期間では、平日睡眠時のアクティビティインデックス(体の動きの指数)の低下が確認され、睡眠の質が高まっていると考えられます。
- 健康心と体のストレスが減少
疲労感、不安感、抗うつ感、食欲不振、不眠に関するストレスチェック項目の合計点数の変化量が、座位期間に比べて立位期間では減少が確認されました。
- 効率金曜日も
仕事のやる気をキープ 週末になっても「仕事に向かう活力」が、座り続けた期間に比べて、立ち姿勢を取り入れた期間で有意に高くなることが確認されました。一週間を通して良い状態で仕事に取り組めるということです。
- 交流立ち姿勢は話しかけやすく、
発言量も増える お互いに座っている状態よりも、一方または双方に立っている状態の方が、相手に話しかけやすいという結果がでました。また、立ち会議では発言量や会話量が増え、より親密なコミュニケーションが促進され会議がはかどるという結果も。立ち姿勢をとり入れることは、コミュニケーションの活性化に有効と言えそうです。
【姿勢による疲労感、むくみの増加量、眠気の強弱】公益財団法人大原記念労働科学研究所との共同実験(2014∼15年)より。出典:高さ可変デスクを使用したデスクワークへの立位姿勢の導入が身体違和感,疲労,下腿周径に及ぼす影響.労働科学,Vol.90(4),2014 ※実験はすべて、作業開始から120分の時点で比較しています。【腰の痛みに対する自覚】公益財団法人大原記念労働科学研究所との共同実験*(2014∼15年)より。【睡眠中の身体の動き、心身のストレス反応(変化量)、仕事に向かう活力(金曜日)】杏林大学医学部古賀良彦教授監修による実証試験(2015年)より。※「立ち仕事×座り仕事」の効能について、実際のオフィス環境での検証を行うため、杏林大学医学部古賀良彦教授監修の下で実施された結果(抜粋)。体の動きを検知するアクチグラフを実験参加者の腕に装着し、2週間の試験期間中、1週間は座位のみ、もう1週間は立位を取り入れて通常勤務を行ってもらったものです。【姿勢による話しかけやすさ】出典:ワーカーの対人認知に関する実験:立位用デスクと座位用デスクが混在する執務環境に関する研究(その2)日本建築学会論文梗概集(2017年)
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