日本人の細やかな技が宿る、奥行きのあるデザイン、
オフィスのインテリアに豊かな表情を与えるテキスタイルです。
奈良時代から連綿と続く繊維産業の地、「尾州(びしゅう)」。
長い歴史の中で培われた細やかな職人技と、多様化するニーズに応えるデザイン性の高さで、
今、世界中の名だたる家具メーカーやファッションブランドから注目されています。
日本の歴史に偉大な足跡を残した武将、織田信長と豊富秀吉、戦国時代に彼らを再出したのが尾張の国です。日本のほぼ中央、現在の愛知県西北部に位置する地域で、またの名を「尾州」といいました。
この地の発展に大きく関係したのが木曽川の存在です。木曽川の清らかな水によって生み出された肥沃な大地で、人々は古くから綿花や桑などを栽培し、それらを麻や木綿、絹織物に加工してきました。奈良時代にはすでに麻・絹織物の産地として栄えていたことが、927年に完成した法典「延喜式」にも記されています。また木曽川の水運を利用した”市”が立ち、麻・絹織物の商いが盛んに行われるようになったのも、繊維産業が発展した要因のひとつといえます。明治以降、長い歴史の中で培われた技術と知識は毛織物に受け継がれ、昭和に入るとビエラ(イタリア)、プラート(イタリア)と並び、世界でも三本の指に入る毛織物の一大産地として成長を遂げました。
木曽川の水と人、人と人との交流によって大きく発展した「尾州」の織物。水と、人、繊維とー。それはまるで糸が交わって美しい布地が織られるように、歴史の中で紡ぎだされた美しい結晶なのです。
「尾州」ブランドの大きな特徴は、紡績、搬糸、製織、染色整理までを受け持つメーカーがすべて尾州地域内で操業していること、糸から製品までのすべての工程を同じ地域で手がけられるのは、世界でも数少ない「尾州」の強みです。
たて糸に太い番手の糸が使用できるのも、「尾州」の織物ならではの特徴といえます。それにより、椅子などの張り地として最も重要視される”強度品質”はもちろんのこと、ざっくりとした表情やボリューム感のある風合いなど、よりデザイン性の高いテキスタイルが次々と創造されてきたのです。
長年にわたって培われた高い技術力と知識の蓄積、そして各メーカーの協力に基づく一貫体制によって、1枚1枚丁寧に生みだされる「尾州」ブランド。日本のものづくりの誇りが連綿と受け継がれているその品質に、今、世界中の家具メーカーやファッションブランドが注目しています。
「尾州」以外にも、愛知県や富山県など国内の毛織物産地で作られた、すぐれたコレクションを取り揃えました。産地ごとに異なる個性が楽しめるラインアップです。