「つながる はじまる なかの」をキャッチフレーズに、新しい取り組みを進めている東京都中野区。その新庁舎が、令和6年5月7日に開庁しました。区民活動の推進、窓口サービスの向上、職員の新しい働き方の実現など、多くの取り組みにチャレンジし、ABW※(Activity Based Working)の考え方を取り入れた「自由に場を選んで働く」ことが実現しています。
※ABW:仕事の内容や目的に合わせて、業務する場所を多様な環境から選んで働けるスタイル。
区民サービスの向上を図るために、新庁舎では職員のワークスタイル改革に取り組んでいます。役職者席のないフリーアドレスを採用し、フラットな組織にふさわしい場を構築。組織間の物理的な仕切りをなくし、フロア全体を見渡せる空間にしました。これによって部門を越えた職員間のコミュニケーションの活性化を図っています。ユニバーサルレイアウトにより全職員の什器を統一することで、スペース効率良く什器を配置でき、組織改編時のレイアウト変更も不要になります。
移転を契機にペーパーレスを推進し、スマートな働き方に変えたことも大きな改革でした。庁内には無線LANを完備し、各所に共用のモニターを設置することにより、職員はノートパソコンを持ち歩き、自席以外でも場所にとらわれることなく仕事を行うことができます。また、電話、メール、チャット、スケジュール管理、Web会議などの機能を統合した多機能ユニファイド・コミュニケーションシステムが導入され、こうしたデジタル化が働き方の自由度をより高め、業務効率を大きく向上させています。
新庁舎では、最小のコストで最大の効果が発揮できるようモノとスペースの集約・共用化を実現し、新しい価値を生み出す多くの場を用意しました。業務内容に応じて、主体的に場所を選択できることが仕事の柔軟性や「創造性・生産性の向上」につながり、働くことに対する職員一人ひとりのモチベーションも高まっています。
新しい働き方のコンセプトの一つである「資源の集約・共用化」を推し進め、これまでは課ごとに管理していた備品類を一括調達して中央管理。複合機やシュレッダー、文房具などを共用化することで、スペースの削減とともにコストの低減も図っています。
また、空間としては執務フロアの中央に「ワークラウンジ」と呼ばれるさまざまなスタイルのワークスペースを整備。職員が主体的かつフレキシブルに、用途に応じて使い分けることができます。さらには「コミュニケーションラウンジ」と呼ばれるスペースをバックヤードに整備。オン・オフの切り替えのできる空間では、リフレッシュによる活力も生み出されています。こうした空間には人が集まりやすく、部門を越えた交流や相互連携が促されています。このような一連の取り組みにより、職員の働き方に変化が生まれ、さらなる区民サービスの向上につながります。
「なかのスマート窓口」と呼ばれる新しい中野区の区民窓口では、「4つのない+1」という取り組みがなされています。「動かない」「迷わない」「書かない」「待たない」そして+1の「行かない」。これによって区民の利便性が今までよりも大幅にアップし、快適かつスムーズな手続きや相談を行うことができます。ユニバーサルデザインにも配慮され、誰にでも利用しやすい庁舎が実現しています。
関連性の高い窓口をフロアごとに集約し、区民の移動を最小限にする「動かない」手続きができます。また、発券機に加えてフロア案内人の誘導により「迷わない」。区民はスマートフォンなどから事前に申請書類を作成できる「書かない」サービスを実施。そして窓口の順番待ちをしないで支払いができるセルフレジの設置により「待たない」ことが実現しています。さらには、区役所まで行かなくてもスマートフォンなどから手続きのできる「行かない」サービスも拡充しており、区民の要望に寄り添うサービスが進化し続けます。
上層階では、これまで各課が専用で持っていた窓口カウンターや待合スペース、相談室、来客対応スペースなどを集約・共用化した「共用窓口」を整備。スペースの効率化だけでなく、来庁者は窓口を移動することなく快適に手続きを行うことができます。
「4つのない+1」は、これからもさらに改善を図りながら、区民の期待に応えようとしています。
新庁舎の1階は、区民活動の拠点としてさまざまなイベントや展示が行われ、いつも多くの区民が訪れて、活気に満ちあふれています。区役所に手続きや相談などの用事がなくても区民が利用できるさまざまな工夫を凝らしたことで、にぎわいや憩いの場に。ここでは区の情報や、数々の文化芸術なども発信され「中野区らしさ」のある活き活きとした姿が映し出されています。
「ナカノバ」と呼ばれる新庁舎の象徴的な空間は、大型モニターを備えた開放的な屋内イベントスペース。200名を収容することができ、講演会などに広く使われ、屋外イベントスペース「ナカノのソトニワ」との一体的な利用もできます。また、「シェアノマ」と呼ばれるワークショップスペースでは、公開型イベントなどを開催。これらのスペースは、普段は誰でも利用できる交流や憩いの場として開放されています。さらに「ナカノのナカニワ」と呼ばれるアートを軸としたパブリックスペースを設け、文化芸術の常設展、企画展、区民展示を実施。アート展示用のパーゴラは、東京の木、多摩産材を使用するなど、親しみやすく温もりのある空間からさまざまな情報を発信しています。
まさに「つながる はじまる なかの」の姿を体感できる、人と人とが「つながる」新庁舎は、これからもあらゆる交流の輪を広げていくことでしょう。