大阪府南西部に位置し、大阪駅より快速・普通電車を乗り継ぎ1時間10分程のアクセスにある阪南市。新型コロナウイルスの影響により、都心のオフィスでの人との接触が伴う通勤や公共交通での移動を避けた、新たなワークスタイルの実践の場として、市役所本庁舎地下の食堂跡地内にテレワークステーションを新設されました。阪南市未来創生部シティプロモーション推進課が運営管理し、ドロップイン利用だけでなく、月単位での企業貸出も可能となっており、有料で利用できます。
コワーキングスペースは、オープンゾーン・個別ゾーン・コミュニティゾーン・企業ブース兼会議室の4つ分けられおり、利用者が業務内容や気分に合わせて自由に選択することができ、シゴトを効率化・活性化する家具や工夫がされています。また、不特定多数の方が利用されるため音への配慮が重要であり、WEB会議用の防音個室ブース、視線や音を遮るセミクローズ型の個室ブースだけでなく、音の反響を抑える吸音パネルや小鳥のさえずりなどのBGMを流しマスキングすることで、利用者が快適に過ごせるよう配慮されています。
プロジェクトの詳細
所在地 | 大阪府阪南市尾崎35-1 |
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オフィス対象面積 | 139.3㎡ |
オフィス対象人員 | 27名 |
インテリア竣工 | 2022年4月1日 |
デザイン担当 | 株式会社オカムラ 関西デザインセンター 木和田 真里 / サインデザイン 乾 菜穂子 |
木和田 真里
事務所以外で働くことが珍しくなくなってきた近年、コワーキングスペースが多く作られていますが、そのほとんどが民間企業によるものです。そんな中、自治体が自らの市庁舎の一部を改装し、市民へ「場」を提供することは今はまだ珍しく、新たなチャレンジにワクワクしながら取り組みました。
ここのスペースの最大の目的は、「新たなワークスタイルの実践の場」でしたが、阪南市として「ここをきっかけに地域活性化につなげたい」という想いがあることも感じていました。
こういった目的や想いの具現化のために、興味を持ってもらい来てもらう、そして一度利用したら何度も利用したくなるような空間を目指しました。
「ストレスなく利用いただくためのサイン計画。」
「“阪南市らしい”自然をテーマにした、グリーンを多用しリラックスできる内装や家具計画。」
「阪南市の情報をGETできる特産品の活用や展示。」
これでもか、と阪南市らしさを入れ込んだ空間は、阪南市民にとっても他市民にとっても気軽に「また来たい」と思ってもらえる空間になったと思います。