柏市水道部は、旧庁舎の老朽化の進行や災害対策本部や備蓄資機材保管用のスペース不足、バリアフリー・ユニバーサルデザインの未導入などの課題を抱えており、「柏市地域水道ビジョン」において災害対策拠点機能、利用者の利便性への配慮、環境への配慮を図った"柏市の水道を支える新たな事業拠点となる庁舎"を目指しました。
また庁舎再整備を機に、下水道事業部門を狭隘化した本庁舎から移設・集約し、市民サービスの向上と業務効率の改善を同時に実現することとしました。
執務室はベンチテーブルを採用したユニバーサルレイアウトとし、連結テーブルの一部にミーティングスペースを組み込み、バックヤード通路に打合せ兼休憩スペースを設けて職員の作業能率や部署間の連携を高められるように配慮しました。
また、職員のデスクには足元ワゴンと天板付収納ワゴンを配置して個人の収納量を高めつつ図面を広げられるように机上面積を広く確保しています。さらに、バリエーション豊富なワーキングスペースやスタッフラウンジ、災害対策本部への転用を想定した会議室の充実などを図り、利用者にとって開かれ親しみやすく、職員が効率よく働ける執務環境を実現した庁舎となっております。
プロジェクトの詳細
所在地 | 千葉県柏市千代田1丁目2番32号 |
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オフィス対象面積 | 4,900.52 ㎡ |
オフィス対象人員 | 約230名 |
インテリア竣工 | 2021年8月 |
デザイン担当 | 株式会社オカムラ 自治体設計センター 伊藤 寛基 |
伊藤 寛基
3拠点に分散していた上下水道部門が新庁舎に集約されることにより働く職員や利用者の方々も増加するため、下記の2点を重視しました。
(1)職員間のコミュニケーション活性化
職員・部門間のつながりを深めるために連結デスクの一部にミーティングスペースを配置、職員がリフレッシュできるようにバックヤード通路に打合せ兼休憩スペースを配置、図面を広げて業者との簡易な打ち合わせができるように窓口カウンター近くにハイテーブルを設置しています。
様々なコミュニケーションの形態に合わせて職員が適切な場所を選択できるよう配慮しました。
(2)利用者と職員のスマートな導線
利用者が迷わない、職員が効率よく業務の推進ができるように窓口カウンターと執務デスク配置の検討を重ねて直線を意識したスマートな導線を目指しました。
この庁舎で働く職員や利用する方々にとってベストな配慮が施された空間を共に作り上げられたと実感しています。
関係者の皆様、ご協力いただきありがとうございました。