広島県西部に位置し、世界遺産である宮島を擁する廿日市市。大野には広島カープの合宿所と練習場があり、市民にとって身近な存在であり、まちを挙げて応援しています。
4支所の一つである大野支所新庁舎建設にあたり、行政サービスの拠点であるとともに市民活動や防災の拠点として、多様で総合的な機能を発揮する施設となるように計画されました。空間づくりにあたっては、住民サービスの向上と事務効率の向上を目的に、執務環境の改善を進めました。
市民交流と賑わいの創出するために、開放的なミーティングや会議室を配置したり、活動内容に合わせて変更できる家具の選定など、ざまざまな配慮をしています。また、大野らしさを表現したウェルカムボードやサインにより、誇りや愛着を感じる工夫がされています。
執務環境改善の点では、フリーアドレスを導入することで、職員の相互連携を促し、多岐にわたる支所業務を職員同士で補完するよう努めています。この取り組みは、廿日市市における働き方改革のモデル事業として、今後効果検証などを行い、継続的に取り組んでいける仕組みづくりと定着、全庁への効果の波及を進めています。
プロジェクトの詳細
所在地 | 広島県廿日市市大野1-1-1 |
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オフィス対象面積 | 約2,270㎡ |
オフィス対象人員 | 約50名 |
インテリア竣工 | 2018年 9月 |
デザイン担当 | オカムラ・中原 忠亮(レイアウト)・、オカムラ・横溝 義仁(サイン) |
デザイナー
横溝 義仁
プロポーザル業務として5月にプレゼンテーション、10月1日には新庁舎でのサービス開始という流れだったため、新庁舎建築工事が進む中、急ピッチで業務を進めました。今回の事業では廿日市市様にとって初の業務改革も多く、最終的な工事までの決め事をいかにスムーズに行えるかが重要でした。
幸いデザインに関しては“野球一色にする”という明確なコンセプトがあったため迷いはありませんでした。背番号をモチーフにした窓口番号や背番号入りのロビーチェアー、隣の人の顔を見えにくくするための円形の仕切り(セグメント)パネルなど、機能面に配慮しながらデザインワークを進めました。
そして、エントランススペースの壁には、来訪者の目を奪う職員の方による「大野」の書、広島戦の試合結果を記載するスコアボードなど、職員の皆様の思いとアイデアがたくさん詰まったウェルカムボードが出来上がりました。
時間の無い中ではありましたが、この仕事を通じてデザイン業務の感動と醍醐味を体験させていただきました。
中原 忠亮
フリーアドレスを前提とした執務空間の計画要望に、当初は驚きを隠せませんでした。しかし、支所職員の方々は新しい働き方へのチャレンジに積極的なご様子で、ご依頼後に、ほぼ全員が弊社オフィス見学に参加されたため、その後の打ち合わせがスムーズに進みました。
執務空間は、多様な働く場の設定だけにとどまらず、コミュニケーションの活性化、日常の使い勝手にも配慮することで、フリーアドレスの効果を高めることに注力し計画しました。
住民利用スペースは、大野らしさを表現し愛着を持っていただけるように、野球をイメージした家具を提案し、ご採用いただきました。
本プロジェクト参画により、新たな知見や経験が得られました。今後の提案に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。
また、 当初の事業の目的であった働き方改革のモデルとして、全庁への効果の波及していくことを期待しています。