那珂川市は福岡県西部の筑紫地域に位置し、恵まれた自然環境や福岡市の都心部から至近距離にあることなどから、人口は増加傾向にあり、平成30年10月に市制移行を遂げられました。
昭和53年に建築された本庁舎は老朽化しており、人口増加による来庁者の増加や、業務の多様化に起因する執務環境の確保により、本庁舎全体が狭隘化しておりました。また、窓口の多様化に伴い、来庁者が目的の窓口に迷わず辿り着けるよう、さらに分かりやすい案内を目指す必要があり、窓口案内等内装改修工事を実施しました。
改修の結果、レイアウト・什器・サイン(グラフィック)の機能を見直したことで、各機能が相乗効果を発揮しはじめています。市制施行後の那珂川市の顔として相応しい庁舎として、住民サービス向上と利便性の確保を実現しました。
プロジェクトの詳細
所在地 | 福岡県那珂川市西隈1-1-1 |
---|---|
オフィス対象面積 | 2,900㎡ |
オフィス対象人員 | 230名 |
インテリア竣工 | 2018年 10月 |
デザイン担当 | オカムラ・加藤 充敏(オフィスデザイン)、オカムラ・乾 菜穂子(サイン/グラフィック) |
デザイナー
乾 菜穂子
市制施行を1年後に控えた中で案件がスタートしました。その頃、既に“那珂川町は市になります”をスローガンとしたオリジナルロゴマークやパターンデザインがあり、地域全体で市制施行の時を楽しみに待ちわびる様子がひしひしと伝わってきました。
これらを受けて、庁内サインのデザインベースは、那珂川町の鳥:かわせみ、木:やまもも、花:しゃくなげなどをベースにデザインされたロゴマークをあしらいました。また、空間デザインについて職員の方々と検討を重ねた結果、「那珂川市らしさ」を空間全体で表現するデザインを創ることになりました。独特な建物の複雑な形状や斬新なレイアウトに合わせて、直接見えない窓口へもスムーズに向かえるよう心がけ、様々な工夫を凝らしたサイン計画を施しています。
職員・住民の方々が一丸となって創る「那珂川市」誕生を盛り立てる業務に参画できたことに感謝し、今後の益々の発展を心より楽しみにしています。
加藤 充敏
レイアウト提案に際し、ポイントとなったのは窓口の配置の大幅な見直しです。福祉課の一部の窓口が離れており、この窓口を利用する為にロの字に庁舎内を周遊する、もしくは外からアプローチする方が近いという、部署配置の現状でした。重ねて、来庁者と職員の動線が交差しており、おそらく来庁者と職員の双方にとり、使い勝手が良い配置ではなかったように思います。
そこで、待合をエレベーター廻りに広くとり、このスペースを囲うように建物の形状を活かしたコの字で窓口配置し、来庁者の利用しやすさに配慮しました。
受託後は職員の皆様への事前説明会を行い、今回の改修のコンセプト・レイアウト・スケジュールについてご理解いただき、円滑に改修が進められるよう「那珂川市らしさ」を大切に空間づくりを行いました。
改修範囲が広くタイトなスケージュルでしたが、その都度調整を図り、現状調査・各課ヒヤリングからレイアウト調整・内装仕様提案に至るまで充実した仕事をさせていただけたと感じています。
市民により利用しやすい庁舎を目指して、今後もお手伝いしたいと考えております。