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和歌山県 海南市 様
海南市様の既存市庁舎は、昭和40年の建設から50年が経過し老朽化が進んでいましたが、東日本大震災の発生を受け、今後の地震への対応として、新庁舎整備に本格的に取り組むこととなりました。
津波による浸水区域内に位置する市庁舎の現状、地震・津波に対する安全性の確保や利便性、整備費用・整備期間など、総合的に勘案した結果、平成8年建築の株式会社和歌山リサーチラボ社屋の活用を決定し、耐震改修工事や、低層棟別館の増築を行うことで、「市民の安心安全を守る庁舎」 、「市民に親しまれる庁舎」を基本理念とする新たな市庁舎が整備されました。
1Fに来庁者窓口を中心とした部門、2Fに議会関係、3Fに事業部門関係、4Fに特別職エリア・管理部門、5Fに行政委員会事務局やレストランなどを、それぞれ配置するとともに、災害対策本部の設置(3F)など、災害発生時の連携を想定したレイアウトとなっています。また、事務所部門はオープンフロアとし、窓側を共用コーナーとして開放しています。
プロジェクトの詳細
所在地 | 和歌山県海南市南赤坂11 |
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対象面積 | 約8,500㎡ |
オフィス対象人員 | 約285名 |
インテリア竣工 | 2017年 11月 |
デザイン担当 | オカムラ・木下 道生 |
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1F 事務室
来庁者の多い時期にはスタンディング(立ち姿勢)で利用。
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1F 事務室
明るい雰囲気とした窓側共用打合せ・作業コーナー。
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3F 相談コーナー
パネルで囲い落ち着いた雰囲気とした相談コーナー。
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1F 部長室
窓側に配置された、パーティションで囲まれた部長室。
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4F 市長室
応接会議テーブルを設置したゆったりした市長室。
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4F 副市長室
応接会議テーブルを設置した機能的な副市長室。
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4F 応接室
市長室と副市長室の間に設けた応接会議式の応接室。
木下 道生
自治体のご案件を多く対応させていただいていますが、海南市様のお仕事は、ロケーションが近いため親しみも湧き力の入る物件でした。駅を降りてから市役所までの道のりは、BGMが流れる街並みが懐かしい故郷におりたったようなノスタルジックな気分にさせてくれました。
今回の移転工事は私にとって初めてのリノベーションを含む案件となりましたが、いろいろとレイアウトを考えるにあたっての建築的な制約などもある中、市の方のご協力のおかげでスムーズに対応することができました。おかげで、ベンチテーブルの採用や窓側空間の共用化など、提案もスムーズに受け入れていただけました。また、ショールームに何度も足を運んでいただいているうちに、スタンディングデスクの良さに気付いていただき、窓口部門の一部にご採用いただきました。
これから何年も使うオフィスを、いつも新鮮な気持ちでご使用いただければと願います。