用語集

GLOSSARY

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排ガス処理装置

排気ガス中に含まれる有害な化学物質や粒子などを洗浄やろ過によって除去処理する装置で、湿式・乾式・燃焼式などの種類があり、排ガス洗浄装置・除害装置とも呼ばれています。一般的にスクラバーと呼ばれていますが、本来は湿式排ガス処理装置のことを指します。
湿式は、気体と洗浄液を気液接触させて排気中に含まれるガスや粒子を除去する方式で、様々な種類があります。酸性ガスはアルカリ溶液で、アルカリ性ガスは酸性溶液を用いて中和処理しますが、水に溶けやすいガスの場合は水洗浄で処理する場合もあります。
乾式は、活性炭などの吸着剤を充填した層に空気を通過させることによって、排気中のガスを吸着処理する方式で、乾式スクラバーなどと呼ばれることもあります。高性能フィルターを装備して微粒子を除去処理する方式もあります。
研究・実験用の排気設備に最も多く設備されているのは湿式および乾式の排ガス処理装置で、湿式排ガス処理装置は主に酸性またはアルカリ性ガスの除去に、乾式排ガス処理装置は主に溶媒ガスの除去に使用されています。

排気ダクト

建築物内からの空気の排出をするために設けられる路で、丸型(丸ダクト)と角型(角ダクト)があります。ヒュームフードでは、内部で発生した有害物質を排出するために必ず必要で、外径(呼び径)φ200~φ300mmのものが多く使用されます。複数の排気ダクトを集合させる場合は、内部を通過する空気の速度を一定にするために、集合させるほど断面積を大きく取る必要があります。ヒュームフードの排気ダクトの場合、排出される空気に含まれるガスの種類に耐えることのできる材質を選定する必要があります。

排気ファン(排風機)

空気を送るための機械。一般的には、羽根車とそれを覆うケーシング、羽根車を回すための電気モーターで構成されています。送風機自体の形状や羽根車の形状には様々な種類があります。排気に使用される送風機としては、シロッコファンおよびターボファンが一般的です。

排気風量

排気される空気の量のことで、m3/min、m3/h などの単位で表されます。ヒュームフード(ドラフトチャンバー)においては、制御風速と排気風量の値は直接的な関係があります。

排気風量モニター

排気風量が適切であるかどうかを監視して警告する装置。ヒュームフード(ドラフトチャンバー)用としては、風速検知方式・圧力検知方式などがあり、表示や音により警報を出す装置があります。

バイオクリーンベンチ

バイオ分野用に工夫がなされたクリーンベンチ。作業面前面や背面部に吸気用のスリットを有し、天井部から吹き降ろされるクリーンエアの一部を再循環する方式が多く、内部に器具を滅菌するためのガスバーナーが取付けられているのが一般的です。無菌操作に使用されますが、内部の空気は作業者に向かって排出されるため、人体や環境に対して危険性のある物質の取扱いはできません。

バイオハザード対策用キャビネット(安全キャビネット)

微生物・病原体等の取扱いに使用される装置で、クラスI・クラスII(IIA2、IIB1、IIB2)・クラスIIIタイプがある。最も広く使用されている装置はクラスIIキャビネットで、一般的に安全キャビネットと呼ばれています。
バイオハザード対策用クラスIIキャビネットは、低度および中程度の危険性を持つ微生物や病原体等の取扱いに使用される装置で、作業者の保護・周囲環境への汚染防止・試料間の相互汚染防止をHEPAフィルターによるろ過とエアバリアーを利用した物理的空気制御によって最小限に止めることを目的としています。 JIS K 3800規格、米国のNSF No.49規格などにより、形状・性能・試験方法などが決められています。

ばく露(曝露)

通常は「さらけ出す」の意味で使用されますが、化学物質に関しては「さらされる」という意味で使用されています。実験者が有害なガスを含んだ空気中にさらされ、呼吸等を通じて体内に有害物質を摂取してしまう状態を「暴露する」と表現しています。

バッフル板(バッフルプレート)

ヒュームフード(ドラフトチャンバー)の背面側に取付けられる板のこと。ヒュームフード内部の気流を適切に制御し、前面開口部から流入する空気の均一化をはかるために、背面板の手前側に取付けられる板のことをいいます。通常ヒュームフード内部の空気は、バッフル板の開口部を通過して、バッフル板の裏側から天井方向へ抜けて排気ダクトに接続されます。

ヒュームフード(ドラフトチャンバー)

研究・実験用の局所排気装置の呼称で、Fume(ガス状で発生した物質が空気中で化学反応を起こし粒子状の化合物となり分散する状態)Hood(覆い、フード)の合成語。北米では古くからこの呼び方が使われており、現在のところ世界的に最も広く使用されています。

封じ込め性能

密閉装置や局所排気装置においては、危険物質を内部に閉じ込めて外部に出さないようにする性能のこと。ヒュームフード(ドラフトチャンバー)の封じ込め性能試験としては、ANSI/ASHRAE110およびEN14175-3が代表的です。

風量調整ダンパ

⇒ ダンパ をご覧ください。

輻射熱

放射吸収の結果、ある媒体内に生ずる熱。ヒュームフード(ドラフトチャンバー)内で熱源を使用する場合は、熱の放射や反射によって内部の壁面や前面サッシの内部が過熱されることがあるため、注意が必要です。

フッ酸

フッ化水素酸(HF)の略称。水素とフッ素とからなるフッ化水素の水溶液で毒性が非常に高い。ガラス(SiO2)と反応して溶かすため、ヒュームフード(ドラフトチャンバー)内で使用する場合は、サッシの材質に注意する必要があります。

プレフィルター

高性能フィルターや吸着剤などでろ過をおこなう場合に、その寿命を伸ばすために粗塵を除去する目的で前段に設置するフィルター。排気系統には一般的に不織布(ふしょくふ)が多く用いられます。プレフィルターの清掃をこまめにおこなわないと、圧力損失が増加して排気風量が低下する要因になります。

ベンチレータ

空気の噴出口のこと。排気に使用されるベンチレータは、雨水がダクト内に入らないような構造上の工夫がなされています。

放射性物質

RI:Radio Isotope
放射能を持つ物質の総称で、放射性元素もしくは放射性同位体、外部からの放射線にさらされることにより核反応を起こし放射性同位体となった物質を指す。人為的に発生させた放射性物質で被曝の恐れがある場所は、法令に従って放射線管理区域として厳密な管理を行なう必要があります。

放射熱

⇒ 輻射熱 をご覧ください。

防爆型ヒュームフード

爆発性ガス蒸気雰囲気を生成する恐れが有る危険場所で、電気機器から発生する火花や高温による爆発を防ぐために、電気部品や配線経路に爆発を防ぐ工夫を施したヒュームフード(ドラフトチャンバー)。