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一般社団法人
京都微生物研究所本部ラボ
プロジェクトデータ
所在地:京都府京都市山科区川田御出町14-1
2022年4月運用開始
個室ブースのスノーハットを利用した電子天秤室。振動や風の影響にしっかりと配慮しながら、部屋全体の雰囲気にもあった高級感のある佇まい。
水質検査をするCOD室。壁際に実験台と流し台を置き、中央には天板付の収納を置いて準備などに使えるようにした。
酸性の薬品を使用するための酸ドラフト室。実験台や局所排気装置(ヒュームフード)には、耐薬品性の高い天板などを採用している。
ヒュームフード、実験台、流し台付実験台が並んだ、多くの作業に対応できる計量室。
すべての検査部門の職員が集まる落ち着いた雰囲気の食堂。コミュニケーションの活性化を目指した空間でもあり、食事や休憩、ミーティングの他、パソコン作業などにも使用されることが想定されている。
部屋と部屋の仕切りにガラスを使用した機器室。機器の使用状況などをどこからでもすぐに確認することができる。
検査排水を中和処理する排水処理施設。
ガラス張りのオープンな会議室。大人数でのテレビ会議にも使用される。
白と黒を基調とした落ち着きと上質感のある環境検査室。最新の実験台ピストの色合い、印象が気に入り、そのイメージを大切にしながら器具棚や収納棚などを設置して、統一された室内の雰囲気をつくり上げた。
製品情報
インタビュー
小林 敦司
専務理事
今井 克浩
企画戦略室 室長
3つの検査部門を
ひとつに集約、
変化に対応できる
効率化と
人材交流を推進
100年以上にわたり、地域の健康を見つめ、そのニーズに応え続けてきた検査機関
1917年(大正6年)8月1日、「微生物及び薬学に関する知識及び技術の進歩発展を図ること」を目的に設立されたのが京都微生物研究所です。
その後、人々の健康を守るという使命を果たすべく、臨床検査から健康診断、環境衛生、公衆衛生などの分野へ検査領域を拡大。健康に対する地域の様々なニーズに対応できる体制をつくりながら、現在に至ります。
コロナウイルスの流行では、PCR検査の体制をいち早く整えるなど、不測の事態にも即応。常に変化に対応できる体制をさらに進めるべく、これまで3カ所に分かれていた検査部門を1カ所に集約し、新しい本部ラボを完成させました。
より高精度で、スピーディな検査・分析をめざした新施設で、時代の変化に対応
新しい本部ラボで追求したのは機能美ということです。検査室をはじめ、事務室、食堂など内部のすべての場所を白と黒を基調とした落ち着きと上質感のある印象で統一。各部屋の表示についても分かりやすく先進的なロゴタイプを使うなど細部にまでこだわりました。
そうしてできた精度の高い仕事にふさわしい空間で、集約化と効率化を追求。自動分析器の導入や検査エリアの共有化を進め、さらに、ピストなどの最新の実験台や電子天秤室には個室ブースのスノーハットを採用するなど、これからの時代にふさわしい検査体制を確立するために工夫を凝らしました。
各部屋間の仕切りにはガラスを多く使ったオープンな環境のもと、ラボ内のあらゆる場所で、これまで分かれていた部門間での交流が始まっています。コミュニケーションも活発になり、ノウハウの共有、人事の交流などもしやすい環境が整いました。
今後は、ますます精度の高い検査・分析が求められるようになることが予想されます。新しい本部ラボが実現した職場環境の改善は、職員のモチベーションアップに役立ち、さらに、優秀な人材の確保にもつながっていくはずです。
細部へのこだわり、統一感を大切にした施設にはラボづくりのためのノウハウが凝縮
全体的に統一感のあるラボをつくりたい。それを実現するために、検査室から事務室、食堂などまで総合的にプロデュースできるオカムラを選びました。その狙いは正解だったと思います。
建設会社との調整も我々の意向に沿う形で進めていただきました。また、排気設備などについては、諸官庁とも折衝していただき、地域の方々にも十分ご納得いただけるものができ上がりました。食堂の椅子などについては、気に入ったものが高さ的に合わなかったのですが、すぐに対応していただき、使用することができました。これらはほんの数例で、他にもたくさんの相談に乗っていただきました。そのおかげで満足のいく施設ができたと思っています。
これからも我々のやっていくことは変わりません。健康を守るという、本来やるべきことを忘れずに、これまで以上に地域や近隣の皆様のお役に立ちたい、そう考えています。
(2022年 取材)