エナ
極限までシンプルに。最小限の機能性とディティールまでこだわったシンプルデザイン。ユニカラーのミーティングチェア「ena(エナ)」は、時には空間を彩り、時には空間に溶け込みます。
ena 命名の由来:Elegant Neat Appearance(上質で整った佇まい)の頭文字を取って命名しました。
極限までシンプルに。最小限の機能性とディティールまでこだわったシンプルデザイン。ユニカラーのミーティングチェア「ena(エナ)」は、時には空間を彩り、時には空間に溶け込みます。
ena 命名の由来:Elegant Neat Appearance(上質で整った佇まい)の頭文字を取って命名しました。
オフィスそのものの在り方が変化してきている中で、オフィスでのコミュニケーションエリアには様々な要素が求められている。向かっている方向性は、カジュアル、ラグジュアリー、トラディショナルと多様だが、共通して言えることはデザイン性が重要視されているということだ。チェアそのものが空間デザインと調和し、使う人が快適と思えるようなミーティングチェアが求められている。
環境面に最大限の配慮をしつつ、シンプルさを徹底的に追求したデザイン。チェアである限り忘れてはならない良質の座り心地。コンセプトが固まった時点で、デザインを託すことができるパートナーとして、これまで数々のオフィスシーティングやチェアのデザイン実績を持つ ITO Design社との協業を選択した。
ITOデザインでのデザイン検討
極限までシンプルであること。環境に配慮した改善が行われていること。一見当たり前のことと聞き流してしまいそうになるが、シンプルなものをさらにシンプルにすることも、シンプルなものの環境配慮ポイントをさらに改善することも容易なことではない。困難なことへのチャレンジには、斬新な意見やアイデアが不可欠だ。ITO Design 社の二人のデザイナー(Velasquez氏と森田氏)とのミーティングはコロナ禍のため残念ながら、すべてwebミーティングで行ってきたが、お互いの蓄積されたノウハウを背景に持ち、交わした議論は非常に有意義なものとなった。
シンプルさを追求した結果、パイプフレームに樹脂製のシェルを組合わせる構造とするが、シェルは従来の背と座を別々のパーツとしてフレームに取り付けるのではなく、背と座を一体のパーツとして脚フレームの上に取り付けるという新しい構造に辿り着いた。これにより部品点数の削減と部品製造工程の削減、組立工数の削減が一気に実現した。当初は、オールプラスチックのチェアを開発することも検討したが、グローバルに販売できる製品開発を求めた結果、海外輸出向けに座面の高さを容易に変更できる、背座一体の樹脂シェルとパイプフレームの構造を採用した。ただ、材料を分けても”一体感”を保つために後脚と背フレームが自然に繋がるデザインにこだわった。
上段:ITOデザインでのデザイン修正作業 下段左:背座一体シェル成型用の金型 下段右:追浜事業所での構造検討
シンプルさを徹底追及し、大枠の構造も決まり、強度が担保できる目途が立った。ユニカラーでの品揃え構想も形になってきた。量産準備へのカウントダウンという段階で問題が発覚する。金型の設計を詳細に詰めていった結果、背座一体のシェルを成型する金型のサイズが、国内の設備に入らない可能性がでてきたのだ。何度も打合せを重ね、金型構造の見直しを掛けながら樹脂シェルのパーティングライン(金型の合わせ目)が目立ちにくい金型設計を進めていった。座り心地への追求も欠かさない。これまで約20年間人間工学に基づいたオフィスシーティングの開発に注力してきたITO Designと1960年代から座り心地の研究を続けてきたオカムラのこだわりが妥協を許さない。シェルが描く緩やかなカーブは、座り心地に大きな影響をもたらす。リモートでの打合せでも座り心地が確認できるよう、お互い簡易試作を作成し、背の当たりや座り心地、サイズ感を確認した。完成した最終試作は満足のいく座り心地となっていた。
上段:試作シェルによる座り心地の検証 下段:リサイズのための試作品改造
ITO Designと初めての協業でしたが、定期ミーティングにより、デザイナーとの円滑なコミュニケーションがとれたことと追浜設計課の協力を得て、オカムラの中枢を担う新しいミーティングチェアが出来上がったと思います。
空間を彩る、海外製品に負けないミーティングチェアとして使っていただきたいです。