シナーラ
シナーラはオカムラが考えるオフィスシーティングに必要な機能を装備しながら、従来製品に比べて製品質量を半減させた圧倒的な軽さを誇る。CO2 排出量も従来比35%減を実現。究極の軽さと機能性を美しくまとめ上げた至極の一台の完成です。
シナーラはオカムラが考えるオフィスシーティングに必要な機能を装備しながら、従来製品に比べて製品質量を半減させた圧倒的な軽さを誇る。CO2 排出量も従来比35%減を実現。究極の軽さと機能性を美しくまとめ上げた至極の一台の完成です。
シナーラの開発コンセプトは「弓」。極限までシンプルな構造ながらしなやかで強く軽い。しなりと反発が動的にオフィスシーティングのリクライニングにも生かされる。デザインを担当したのはスイスのデザイン会社b4KのAndreas Krob とエンジニアのJoachim Brüske だ。二人の斬新なアイデアは、オカムラの設計担当者によって具現化されていく。軽量化を狙う背景にはSDGs投資やESGなど持続可能な社会を作るために必要な考え方によるところが大きかった。部品調達と物流全般、製造のためのエネルギー削減や最終的な回収・リサイクルの負荷軽減につながる。ユーザーにとっても軽量であることはメリットである。世界最軽量のオフィスシーティングを目指してプロジェクトがスタートした。
上段左:アイデア段階のCGモデル 上段右:デザインCG 下段 左:軽量化のためのフレームイメージ 下段右:試作品
デザインを生かし、強度を保ち、いかに軽量化を図るか。開発チームは頭を悩ませていた。試作を作り構造の確認をし、座り心地とリクライニングの動きのスムーズさなどを確認しながら、削ぎ落せる部分を探っていく。何か大きな発想の転換が必要だった。 Andreas Krob とJoachim Brüske 両氏も来日し、一緒に策を練った。背と座を一体のフレームにする。強度解析を行い余分な部分を削いでいった。最終的に導き出した軽量化の決め手は、背座を一体にしても、座が部分的に折れ曲がるようにした新しい機構を採用したことだ。このことが最終的に機構部のコンパクト化を実現し、部材も減り、座り心地も維持することにつながった。背座一体のフレームにメッシュを直接張り込んだことも軽量化に寄与している。持続可能な社会への貢献という意識が開発チーム全員に浸透していたからこその軽量化への思いの結果だ。
Andreas Krob と Joachim Brüske 両氏とオカムラ工場での打合せ
オカムラでは人が使う家具のあるべき姿を求めて長年人間工学の研究を積み重ねてきた。特に人の体を支える椅子に関しては、リクライニングメカの開発を中心によりよいものを提供することに注力してきた。背もたれを倒したときに座面が一緒に角度を変えてくれないと背もたれと背中にずれが生じて、たびたび座り直しや衣服を整える必要が出てくる。座面の角度を変える際に膝の裏が持ち上げられると血行不良が起こり膝下がしびれてくる。その両方を解消するリクライニングメカとしてたどり着いたのがアンクルチルトリクライニングだ。開発チームはこのアンクルチルトリクライニングをさらに進化させ、リクライニングの強弱調整は、あえて調整機能を設けず、体格の異なるユーザーが座っても満足いただける一定の強さに設定した。自席を持たない働き方が増え、座る人が変わった時に違和感なく使えるようにという配慮だ。これも働き方の変化に対する対応だ。オカムラはこれからも時代の変化に敏感に反応し、より使いやすい、心地よい環境づくりに貢献していく。
上段:極限まで削ぎ落されたシンプルな構造 下段:スマートアンクルチルトリクライニングの動き
2003年に世界品質のContessaを世に送り出して以来、さまざまなメッシュチェアを発売してきた技術力とオカムラのノウハウがなかったらシナーラは完成しなかったと思います。これまでオカムラが推奨してきた人の動きに追随するアンクルチルトリクライニングをさらに進化させた調整不要のスマートアンクルチルトリクライニングを開発するなど、新しいチャレンジも積極的に行ってきました。軽量化という視点が環境配慮に直結している点に対しての気づきも新たな収穫でした。