ピルエット
働き方の変化から生まれた、半立位姿勢をサポートする今までになかった新感覚のスツール。
多様な働き方に対応し、空間に調和する軽やかな佇まいとやさしい雰囲気をまとったデザインです。
働き方の変化から生まれた、半立位姿勢をサポートする今までになかった新感覚のスツール。
多様な働き方に対応し、空間に調和する軽やかな佇まいとやさしい雰囲気をまとったデザインです。
近年、働く人の姿勢がますます多様化してきている。上下昇降デスクやハイテーブルを利用したり、フリーアドレスになって自席を持たず、いろいろな場所で仕事ができるオフィスも増えている。そうした環境で短い時間、立ったまま打ち合わせをしたり、コミュニケーションを図ったりすることも。「立ち」「座り」の姿勢を変える動作が行なわれるなかで、効率的な働き方を推進するための椅子が今までなかったということが、企画の出発点だった。
働くときの姿勢や動き、使用するシーンを洗い出し、どのような形状と機能が最適かという検討を重ねた。そこから導き出したのは、動作や姿勢に合わせて柔軟に傾くスツールだ。姿勢については、腰の研究を専門とする東京大学医学部附属病院の松平浩特任教授と共同研究を行ない、理想的な座角度や脚の開角度などを算出。適切な高さや使用感は、試作をつくって身長や体重の異なる約100人の社員に座ってもらい、可動部や座のインナーシェル形状、身長に対する適切な座の高さと、ストロークの長さといった細部の仕様の検証も行なった。
腰部負担検証実験イメージ
どこから座っても安定した座り心地の座面形状と操作性、どこに配置しても邪魔にならないサイズを追求した。方向性を持たせないシンプルな形状で、多数配列した際にも空間の景観を損なわず、多様な空間やシーンに調和することを意識した。未使用時には支柱が直立で静止しており、使用後も元の直立状態に戻ることで、パブリックスペースはもちろん、執務室でも機能的、かつ快適な使用感が実現できた。また、色や張材の組み合わせにより、多様な空間やシーンに合わせて選べるように、CMF部門※と協働で張材のラインナップも揃えた。 ※CMFとは、サーフェイスを構成するColor、Material、Finishの3つの要素のこと。
安全面を考慮し危険を回避するために、ベースはしっかりと床面に接地させる構造を考えた。そして、脚部が全方向に柔軟に傾く「スイング機構」を新たに開発。最も困難を極めたのは、スイング時の感触や耐久性、体重差による動きなどの要素をバランス良く兼ね備えることだった。安定させるためにベースを大きく重くすると、持ちにくく移動しづらくなる。また、自由にスイングさせたいが、動きすぎると筋力が必要になり体が疲れてしまい、着座時にもスイングすると危険を伴う。どちらかを優先すると、もう一方の機能が活かされない。そんな相反するニーズに対して機能の重要性を整理して理想的なフォルムを追求し、部品ひとつひとつをミリ単位までこだわって、小さく薄くして全体的に縮小することを検討した。
発売以来、オフィスはもとより、公共施設やナースステーションで利用されるなど、多様な働き方をサポートし、働く環境の可能性を広げている。色や張材の組み合わせが自由に選べる、ピルエット。さまざまな空間やシーンに使うことができる新しいパーチングスツールです。