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CSR Report

第三者意見・審査報告

信頼性を高めるとともに、社会の期待に応えるレポートとするため、第三者意見・審査をいただきました。

第三者意見

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水尾 順一氏

駿河台大学経済経営学部教授・博士(経営学)
株式会社アデランス 社外取締役

株式会社資生堂を経て1999年駿河台大学助教授、2000年教授、現在に至る。日本経営倫理学会副会長、株式会社西武ホールディングス企業倫理委員会社外委員、一般社団法人経営倫理実践研究センター首席研究員、2010年ロンドン大学客員研究員他。著書『マーケティング倫理が企業を救う』生産性出版など多数

株式会社岡村製作所(以下、同社)のCSR Report 2016について、企業でCSRの実務を推進し、大学でその理論構築をして「CSRの理論と実践の融合」を社会に促進してきた立場から、以下に同社の第三者意見を申し述べます。

高く評価できる点:「よい品」を提供し、「社会的課題」の解決に貢献する内容が特集記事などを通して開示されています。

同社は「創造、協力、節約、貯蓄、奉仕」の5つの創業の精神を原点に「伝統」を守りつつ、時代の変化を先取りし「革新」的な技術を生み出しています。その一端を巻頭に掲載された2つの特集から見ることができます。
特集1では、「+Standing」による健康を重視した「働く姿勢」の提案を通して、「健康経営」に貢献しています。「健康経営」は、アメリカの経営心理学者のロバート・ローゼンが「ヘルシー・カンパニー」と提唱した概念で、企業のサスティナビリティと従業員の健康を一体化させたマネジメント手法です。「健康経営」という社会が求める課題と、同社の強みである「業務の効率性と社員の健康志向を一体化させたオフィス環境と作業空間」の提案を合致させた、「オカムラグループの戦略的CSR」として評価されます。
また、特集2では、同社の提案する店舗の「総合的なエネルギー管理」がCO2の削減に寄与する様子が開示されています。2015年12月に開催されたCOP21で提起された温室効果ガスの削減も社会的課題であり、オスコムクラスの開発は、「業務その他部門」に貢献する独自のソリューションといえます。
これら特集記事を含みCSRレポート全体を通して、「よい品」の提供に取り組む様子が開示されています。しかも表現に当たっては、昨年、筆者が提案した『従業員を核にした「人の力」に焦点をあてること』が実践され、随所に「人の力」がCSR経営に貢献する様子が開示されており、躍動感がレポートから伝わります。

今後の改善に期待する点:CSRの課題解決が「見える化」され、経営品質の向上に貢献することを期待します。

CSRは課題解決に向けた活動が見える化されることで、経営品質の向上に貢献します。その意味では、各章立てのトップページの2枚が重要な役割を果たします。
CSR経営、クオリティの追求、地球環境への取り組みなど、各章立てのページもしくは次ページに、Plan(前年の計画)、それに対するDo(実績)さらには、Check(評価)とAct(改善)を明記すれば、次年度以降の課題も明確となり、このPDCAサイクルを毎年実施することで継続的改善に結びつきます。
CSRレポートが同社の「伝統と革新」にドライブをかけるとともに、経営品質のさらなる向上で持続可能な発展につながることを心から祈念します。

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平尾 雅彦氏

東京大学大学院工学系研究科 化学システム工学専攻教授 工学博士

1981年東京大学工学部化学工学科卒業、1987年東京大学大学院工学科研究科博士課程満期退学。工学博士。株式会社日立製作所を経て、2006年4月より東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻教授、現在に至る。日本LCA学会会長、日本環境協会理事、グリーン購入ネットワーク会長、グリーン購入法特定調達品目検討会委員、エコマーク運営委員会委員長。

株式会社岡村製作所のCSR Reportを2010年度版から7年間にわたり拝読して、オカムラグループの環境経営が年々深化していることがわかります。地球環境保全のための主要4項目である地球温暖化防止、省資源、化学物質管理、生物多様性保全については、継続的に、そして定量的に評価し、開示し、新たな目標を設定するPDCAを実践していることは高く評価されるものです。
特集記事では、具体的な活動を詳しく紹介しているため、地球環境保全の考え方が事業の様々な場所に浸透していることが理解できますし、読者も自らの活動の参考にすることができます。2016年版では、店舗のエネルギー管理による温室効果ガス(GHG)排出量削減への貢献が取り上げられています。地球環境視点からの位置付けや店舗全体での設備と運用をシステムでサポートしていることが図や顧客の声を通してよくわかる内容でした。地球環境に貢献するビジネスを調達先や顧客とともに協調して進めていることは、これからの環境経営の方向を示す優れた事例です。一方で、サプライチェーン全体からのGHG排出量の分析では、特集で取り上げた製品の使用による排出量は増加しています。特集で示したようなトータルサポート、すなわち「エコの実」の一層の充実による売上げ増とGHG排出総量削減の二兎を追う成果にも期待します。
4項目のうち化学物質管理については、塗料や接着剤の変更を行い、着実な取り組みを進めています。しかし、法規制物質の排出量・移動量管理は第一歩であり、製造に使われる物質では作業者への、製品に含まれる物質では使用者へのリスクを把握して管理することが求められていくでしょう。例えばF☆☆☆☆製品の提供にとどまらず、ホルムアルデヒド以外の化学物質の含有・放散、顧客の使用環境、廃棄後の処理といったライフサイクルまでを考慮した製品の開発・製造・顧客サポートを期待しています。
2015年は地球環境とその持続性にかかわる大きな動きがありました。6月のG7サミットで資源効率の重要性が宣言され、9月には国連持続可能な開発サミットにおいて17の目標からなる「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。さらに12月には地球温暖化にかかわるパリ協定が合意されました。これらの世界全体での宣言や合意は、国だけではなく企業を含む全ての関係者が自らの目標へ落とし込み、実践することを求めています。SDGsの中でも重要な視点とされている目標12「持続可能な消費と生産パターンの確保」では、企業と消費者の双方の取り組みを求めています。オカムラグループにおいては、現在推進している第8次環境中期計画、2018年から始まる第9次計画を経て長期ビジョン「GREEN WAVE2020」の達成を目指しています。年、中期、長期という、わかりやすい目標設定、着実な実践、透明性のある開示は持続可能な社会構築への貢献モデルとして範となるものです。SDGsが目標年とする2030年に向けて、「社会から信頼され愛される企業」としてさらに高い目標を掲げ、環境経営を深化していただきたいと思います。

第三者審査報告

環境パフォーマンスデータ 第三者レビュー報告

第三者意見・審査を受けて

「CSR Report 2016」の発行にあたって、多くの分野のステークホルダーの皆様より貴重なご意見を多数いただきました。それらのご意見を参考にした上で、持続可能な社会づくりへの貢献に向けた当社の取り組みを報告させていただきました。
水尾教授、平尾教授には、それぞれのお立場から忌憚のないご意見を頂戴し、お礼を申し上げます。両教授からは、当社の取り組みの進展に対して評価をいただくとともに、「課題解決に向けた活動の見える化の重要性」「サプライチェーン全体からの温室効果ガス排出総量削減」などについてご指摘をいただきました。これらは、当社のCSRを軸にした経営をさらに前進させるための重要なご意見と認識し、取り組みへの反映に努めてまいります。
「CSR方針」ならびに「行動規範」に基づき、今後もオカムラおよびグループ各社とその従業員が一丸となって、グローバル社会の一員として持続可能な社会の構築へ向けた活動を行うとともに、「CSR Report」をはじめとする情報開示の充実に取り組んでまいります。

専務取締役 管理本部長 佐藤 潔